Un Concert de Piano Excentrique : 2002
〜第3回 こだわりのあるピアノ弾きとその仲間達による大演奏会〜

= 曲目解説・演奏者メッセージ =


リアルオーディオ演奏 リアルオーディオ演奏付き

12. ベートーヴェン/ピアノソナタ No.23「熱情」 第1楽章 リアルオーディオ演奏 第2, 3楽章 リアルオーディオ演奏 白石潤一
<曲目紹介>
熱情ソナタという名前はベートーベン自身によって与えられたものではなく賛否両論ある。内容について音楽以外の要素を用いて説明すればまず不満足に終わるので、演奏者の感じることを伝えるために、他の作品と熱情ソナタとの類似若しくは比較されるべき点について述べるにとどめる。ロマン・ロランによって「傑作の森」と呼ばれた想像を絶するほど高密度の産出期(1803?1809年)のはじめの数年で熱情ソナタは作曲された。この時期を通して眺めてみる。1804年ワルトシュタインソナタ、英雄交響曲の完成に始まり、翌1805年熱情、1806年ピアノ協奏曲4番、ラズモフスキー弦楽四重奏曲、バイオリン協奏曲、そして、1808年交響曲運命と田園、最後に1809年ピアノ協奏曲5番が完成される。まさに輝かしい数年間である。穏やかな神々しい光に満ちたピアノ協奏曲4番と、暗い情熱に突き動かされるような熱情ソナタとは違った方向を示しているが、精神的あるいは技術的なもの(人間性に満ちあふれた暖かい音色、熟達した透明なピアノ語法等)において多くの共通点を見つけることができる。ベートーベンは最晩年まで弦楽四重奏曲の作曲を続けた。最も純粋な音楽、即ち、いかなる些細な外面的な要素をも介入させることなく成立する音楽であるゆえ、弦楽四重奏曲の作曲をベートーベンは終生手放すことができなかった。ラズモフスキーだけをとっても、その音楽が示す地平はまさに彼方まで無限に広がり、その多様性には驚愕せざるを得ない。ベートーベンはピアノソナタに対しても弦楽四重奏と同様の純粋性を要求し、彼独特のピアノ語法は音楽に対する高度な要求を満足することを唯一の目的としている。交響曲5番と熱情ソナタでは共に所謂運命の主題が用いられていること、英雄交響曲において確立された循環と呼ばれる手法が運命と熱情においても取り入れられていること等は良く知られている。


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