数々の楽譜・音源到着

前回の更新で紹介したムストネン編のパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、ムストネン自身による 演奏音源を手に入れました。想像通りコミカルな編曲でした。MIDIで紹介したのは冒頭部分のみで、目まぐるしく転調されるものの調性は保って聞こえますが、 その後は複調・複リズムで突き進みます。
さて、その他にいくつか音源と楽譜が到着したので紹介します。まずは ストラーダル編曲の 「協奏曲ニ短調」。この曲の原曲もヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-11)を バッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。バッハの息子のW.F.バッハが所有しており名前が書かれていたことから、かつては W.F.バッハが編曲した曲とされており、このピアノ編曲版のタイトルもヴィヴァルディ=W.F.バッハとなっていました。 時代としても、ストラーダルはW.F.バッハの編曲だったと思っていたのは間違いないでしょう。現在ではこの協奏曲はバッハ編曲とされているため、 そのピアノ編曲版はこのページで紹介するに値するものでしょう。
もう一点、 ヘルシャー編曲の 「パッサカリア」。 この楽譜は、宣伝のためか、余白部分(表紙の裏まで)に1ページずつ小曲が印字されていました。それもバッハとは全く関係ない無名の小品で、もったいぶって 「続く・・・」と。この1ページを見て買おうとする人がいるのでしょうか。
音源の方は、ドイツの正統派ピアニスト、ゲルハルト・オピッツによるバッハ編曲集「Variations & Transcriptions」。レーガーの 「バッハの主題による変奏曲とフーガ 作品81」にはじまる 「バッハの音楽をモチーフに作曲されたピアノ曲」と、ブゾーニやケンプ、リストによる編曲などが収録されています。

ムストネンのパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、他

面白い編曲を手に入れました。フィンランドのピアニスト、オリ・ムストネン編曲の パラフレーズ「ロンド風ガヴォット」。 曲は高音域でかわいらしく始まりますが、途中から目まぐるしく調が変わっていきます。 まだ最後まで弾いてみていないのですが、はじめの1ページだけでもその面白さを味わうことができました。 冒頭部分をMIDI にしてみましたので、 下の譜例を見ながらぜひ聴いてみて下さい。
なおこの楽譜はSchottから出版されています(ED 9508、ISMN M-001-13286-2)。
Bach=Mustonen/ Gavotte

Gavotte and Rondeau Gavotte and Rondeau (The Virtuoso Piano Transcription Series, Volume 8). By Johann Sebastian Bach (1685-1750). Arranged by Olli Mustonen. Piano. This edition: ED9508. Schott. Book only. 8 pages. Published by Schott Music (HL.49013042)
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ムストネンといえばショスタコの「プレリュードとフーガ」とバッハの「平均律」を交互に配置したCDがありますが、 これもまた独自の解釈で聴いていて飽きません。私はバッハの平均律だけを抜き出して順序も正しく直し、MP3プレーヤーに入れて聴いてます。
さて気を取り直して、今度は普通の編曲で、前々から持っていたのですがまだ曲目データベース に登録していなかったハインツェの編曲集。 これは「21のバッハ小品集」という曲集で、色々な組曲の中から主に舞曲を取り上げています。 フランス組曲やイギリス組曲の中から抜粋したものの他に、無伴奏チェロ組曲・無伴奏ヴァイオリンパルティータなどからの編曲が 数曲含まれています。いくつかの曲は弾きやすいように移調されています。