Transcendental Bach (2)

前回に引き続きThomas LabeのCD「Transcendental Bach」の紹介です。

ゴドフスキー編曲の無伴奏チェロ組曲 第2番。この曲はアンダンテ・カンタービレ、ピアニッシモでゆったりと始まります。前奏曲の冒頭には、本来の原曲に導入の2小節が追加されています。
Bach=Godowsky/Prelude from Suite No.2 for violincello solo BWV 1008
(Bach=Godowsky/Prelude from Suite No.2 for violincello solo BWV 1008)

前奏曲、アルマンドとゆったりとした曲想が続いた後、嵐が吹き荒れるのがクーラントです。本来のクーラントの軽やかな舞曲とはかけ離れた、激しい音楽になっています。
Bach=Godowsky/Courante from Suite No.2 for violincello solo BWV 1008
(Bach=Godowsky/Courante from Suite No.2 for violincello solo BWV 1008)

無伴奏チェロ組曲の全楽章演奏に続くのは、今度は無伴奏ヴァイオリンソナタの方から一つの楽章の抜粋です。無伴奏ヴァイオリンソナタ 第1番より シチリアーノ。CDの中でも、重い音楽が続く中での小休止の趣があります。
Bach=Godowsky/Siciliana from Sonata No.1 for violin solo BWV 1001
(Bach=Godowsky/Siciliana from Sonata No.1 for violin solo BWV 1001)

このCDにもうひと山ありました。無伴奏ヴァイオリン曲のピアノ版として最も有名なブゾーニ編「シャコンヌ」。 恐ろしいスピードで走り抜けるこの演奏にまず驚かされます。しみじみと味わうシャコンヌを期待すると卒倒します。(同じ高速演奏でもワイセンベルグのCDで聴ける演奏の方が味わいがあります)

CDの最後は、無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番より アリアです。シャコンヌを弾き終え、拍手喝采の中で名残惜しくアンコールで演奏したかのような、心憎い配置です。

Bach=Godowsky/Aria from Sonata No.3 for violin solo BWV 1003
(Bach=Godowsky/Aria from Sonata No.3 for violin solo BWV 1003)


<収録曲>



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プロフィール

田中 博幸 (Hiroyuki Tanaka
hiro105@cc.rim.or.jp
音楽、バッハ、ピアノが好きなサラリーマン。バッハのピアノ編曲に関する楽譜/音源を収集、研究している。フーガやカノンなどの対位法的楽曲を好む。ピアノの他、和声と対位法を勉強中。片手のためのピアノ編曲を創作。「左手のアーカイブ」プロジェクトで編曲家として活動。
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IMSLPに公開した作品は、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスに基づく。

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