2017年は、カノン形式を勉強してきました。演奏会で演奏させてもらった曲は、バッハの代表作品の一つと言える《ゴルトベルク変奏曲》BWV988の冒頭「アリア」と、1974年に発見された《ゴルトベルク変奏曲の低音8音に基づく14のカノン》BWV1087の2曲でした。
後者の14のカノンは、一旦は左手用編曲として思い立って取り組み、ブログに掲載しましたが、その後カノンの可能性に魅せられて両手用の編曲をつくり、演奏会で自分でも演奏させてもらいました。

以下は演奏会のプログラムノートに掲載した解説です。
14のカノン BWV1087は、《ゴルトベルク変奏曲》BWV988の初版のバッハ私蔵本、最終ページに書き込まれていたもので、「アリア」の最初の8音を元にした14種類のカノンです。この8音による基本主題は、基本形のほか反行形・逆行形・反行形の逆行形という4つの様相を持っており、それぞれが定旋律でありつつ、対位主題を生み出す動機にもなっています。
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さて演奏にあたっては、原曲では楽器指定もなくカノン譜の解読が必要で、いくつかの解決譜も出版されているものの、一つ一つは短い無限カノンということもあり演奏される機会はあまり多くありません。そこで私の編曲では、カノン構成要素2つで主題提示した後、10のカノン変奏を展開し、最後にカノン構成要素2つに回帰するという構成で変奏曲にまとめ、ピアノで演奏し鑑賞に堪える楽曲を目指しました。
なお、オリヴィエ・アラン、クリストフ・ヴォルフ、及びマルセル・ビッチュ諸氏の解決譜を参考にさせてもらいました。

<主題提示>
 ゴルトベルク変奏曲「アリア」の冒頭基礎低音8音
 基本カノン: 反行形+反行形の逆行形 (Original:#2)
 基本カノン: 基本形+反行形 (Original:#3)
<変奏>
 第1変奏: 主題と対位主題1それぞれの基本形・反行形による四声二重カノン (Original:#5)
 第2変奏: 対位主題2の基本形・反行形による三声カノン (Original:#6)
 第3変奏: 対位主題3の基本形・反行形による三声カノン (Original:#7)
 第4変奏: アルト声部主題と対位主題4の基本形・反行形による三声カノン (Original:#8)
 第5変奏: 対位主題5の16分音符間隔によるオクターブカノン (Original:#9)
 第6変奏: 掛留による対位主題6の基本形・反行形による三声カノン (Original:#10)
 第7変奏: 二つの対位主題7、8の基本形・反行形による五声カノン (Original:#11)
 第8変奏: 拡大された基本主題と二つの対位主題9、10の基本形・反行形による五声カノン (Original:#12)
 第9変奏: 二つの対位主題11、12それぞれの基本形・反行形による六声三重カノン (Original:#13)
 第10変奏: 対位主題13の拡大形・縮小形による四声カノン (Original:#14)
<コーダ>
 基本カノン: 反行形+基本形 (Original:#4)
 基本カノン: 基本形+逆行形 (Original:#1)

カノンの勉強はまだまだ道半ば、来年も継続するつもりです。