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Recordings from Feinberg's Private Archive

J.S.Bach: Well Tempered Clavier, Clavier Works & Feinberg's Piano Transcriptions, etcサムイル・フェインベルグ(Samuil Feinberg, 1890-1962)に関しては、このホームページでも何度も取り上げてきました。今回紹介するCDは、フェインベルグの没後50年を区切りに整理されてリリースされた、プライベート録音集。中身を確認してみるとほとんどが初出という、マニア垂涎アイテムでした。
Amazonやタワーレコードのサイトで表示されているタイトルや商品説明が、「J.S.Bach: Well Tempered Clavier, Clavier Works & Feinberg's Piano Transcriptions, etc」のようになっていて4枚組なので、既出の平均律全集と余白に編曲が収録されたコンピレーションCDかと思わせておりあまり期待していませんでした。しかし!なんと平均律の録音は既出のものとは別の、おそらく公式録音の前に、音楽院のホールにある録音設備でテスト的に収録されたもののようなのです。残念なのが、第1巻の後半(13−24番)が消失しているのですが、第2巻は全曲揃っています。公式録音もそうですが、フェインベルグの平均律は全曲を通して1曲かのように感じさせる演奏、そしてここでは明らかに公式録音と違う演奏が聴けます。

そして4枚目、いくつかのシンフォニアや、イギリス組曲のブーレ、フーガなど初めて耳にする録音が多数。フーガ イ短調 BWV 944は、録音の存在は知りつつも長らく入手がかなわなかったものなので、とても嬉しいです。このフーガには短いプレリュードがついており、バッハの楽譜上はアルペジオと書かれた和音が書かれているだけですが、ここではフェインベルグによるリアリゼーションを聴くことができます。


4枚目の収録曲は以下の通りです。
 ・3声のシンフォニアから、2, 5, 9, 12, 15番
 ・イギリス組曲 第2番 BWV 807 ブーレI, II
 ・パルティータ 第1番 BWV 825
 ・トッカータ ニ長調 BWV 912
 ・オルガンコラール前奏曲のフェインベルグ編曲
 ・フーガ イ短調 BWV 944

その他、装丁も豪華になっており、ライナーノーツも写真含めかなり充実しています。
何にせよ、このCDはフェインベルグファンにとって愛蔵盤となることは間違いありません。

フーガの技法のピアノ演奏CD

昨年末から、フーガの技法 BWV 1080の勉強を始め、まずはコントラプンクトゥス4の練習に取りかかりました。フーガの技法は謎の多い作品で、そのほとんどがピアノソロでも演奏できますが、解釈も演奏家により多種多様。手元にあるピアノ演奏でのCDについて紹介したいと思います。ピアノでフーガの技法を全曲演奏している録音は意外とたくさん出ていますので、HMVやAmazonへのリンクをまとめます。 アンドラーシュ・シフや、アンジェラ・ヒューイットなどにもぜひ挑戦してもらいたいものです。

タチアナ・ニコラーエワ (Tatiana Nikolayeva) [HMV/Amazon]
フーガの技法のピアノ演奏で、ニコラーエワをはずすことはできないでしょう。おそらく最も早い時期(1967年)にピアノで全曲録音を果たしたピアニストです。ただし1967年に録音され70年代に発売されたレコードはCD化されておらず、その四半世紀後1992年に録音されたhyperion盤が現在入手できる録音です。1967年の録音に比べて全体的にテンポが遅めです。どの声部を聴いてもしっとりと歌われており、素晴らしい演奏です。私がフーガの技法を初めて知ったのもニコラーエワの演奏でした。ピアノソロのみ収録、CD2枚組。

エフゲニー・コロリオフ (Evgeni Koroliov) [HMV/Amazon]
1990年の録音、コロリオフのCDデビュー盤がこのCDとのこと。リゲティが無人島の一枚にコロリオフのバッハを選んだというエピソードはあまりにも有名。他の録音と比較してもテンポは全体的に相当速い方で、硬質な音で難解なフーガを明快かつ冷静に描いています。2台ピアノ版も収録、CD2枚組。

コンスタンチン・リフシッツ (Konstantin Lifschitz) [HMV/Amazon]
2009年の録音。他の録音と比較すると、どの曲も速すぎず遅すぎず、といったところでしょうか。2台ピアノ版も収録(多重録音)、さらに出版譜最後に付けられたコラール「我は汝の御座の前に進む BWV 668a」のピアノ演奏も収録されています。CD2枚組。
ニコラーエワ
コロリオフ
リフシッツ

グレゴリー・ソコロフ (Grigory Sokolov) [Amazon]
1982年の録音。全体的にテンポは速め。CD2枚組、パルティータ第2番を併録。

チャールズ・ローゼン (Charles Rosen) [Amazon]
1967年~1969年の録音。ニコラーエワの旧録に並んで古い録音。紹介するCDは2枚組ですが、1枚目はテューレックの弾くバッハ作品集、2枚目がローゼンが弾くフーガの技法です。ピアノソロのみCD1枚に収録。

アリス・アデール (Alice Ader) [HMV/Amazon]
2007年の録音。とてつもなく遅い解釈と、速めの解釈とが入り交じり、他の録音と比較すると同じ曲とは思えないものもあります。ライブ録音、CD2枚組。
ソコロフ
ローゼン
アデール

ピエール=ローラン・エマール (Pierre-Laurent Aimard) [HMV/Amazon]
2007年の録音。全体的にテンポは速め。ピアノソロのみCD1枚に収録。

ラミン・バーラミ (Ramin Bahrami) [HMV/Amazon]
2006年の録音。全体的にテンポは速め。ピアノソロのみCD1枚に収録。

ウラジールミル・フェルツマン (Vladimir Feltsman) [Amazon]
1996年の録音。全体的にテンポは速め。2台ピアノ版も収録、CD2枚組。
エマール
バーラミ
フェルツマン

高橋悠治 (Yuji Takahashi) [HMV/Amazon]
1740年頃に成立したと言われる初期稿(自筆譜)を元に演奏しています。CD1枚に収録。

イーヴォ・イエンゼン (Ivo Janssen) [Amazon]
2006年の録音。イエンゼンはバッハのメジャー曲からマイナー曲まで、全部ピアノで録音しようとしている意欲的なピアニスト。クセのないというか、素直に聴ける解釈には好感が持てます。ピアノソロのみCD1枚に収録。

アントン・バタゴフ (Anton Batagov) [HMV]
1993年の録音。全体を通して驚異的な遅さで、さらにフレーズが途切れるようで途切れないような、怖ろしい演奏です。残念ながら廃盤で、Amazonで見つけることはできませんでした。
高橋悠治
イエンゼン


ゾルタン・コチシュ (Zoltan Kocsis) [Amazon]
2011年1月19日時点で未聴。

ピオトル・スウォペツキ (Piotr Slopecki) [Amazon]
2011年1月19日時点で未聴。

アンドレ・ヴィエル (Andre Vieru) [Amazon]
2011年1月19日時点で未聴。
コチシュ
スウォペツキ
ヴィエル



<番外編>
グレン・グールド (Glenn Gould) [Amazon]
なお、かのバッハ弾き、グールドは、フーガの技法をよく演奏しましたが、全曲をピアノでは録音していません。オルガンでコントラプンクトゥス1~9(1962年の録音)、ピアノでコントラプンクトゥス1,2,4,14(1981年の録音)、9,11,13(1967年の録音)を録音しています。なおこのCDには、最後に「B-A-C-Hの主題による前奏曲とフーガ BWV898」が収録されています。偽作の疑いが濃い作品ですが、ピアノでの演奏が聴けるのは稀です。
グールド

バッハを弾くピアニストとして以前リストアップしましたが、その中で私が個性的で良い演奏だと思っている、ヴラジーミル・フェルツマン(Vladimir Feltsman)について、最近録音が入手しやすくなったので紹介したいと思います。

私がフェルツマンのバッハ録音に初めて触れたのは5~6年前、国内盤のパルティータ全集でしたが、 これがまた素晴らしい演奏で、「この人の弾くバッハを聴きたい」という気にさせられた、私にとって久しぶりのヒットでした。同CDに収録されている2声のインヴェンションもアーティキュレーションが独特でとても楽しく、15曲一気に聴いてしまいたくなる演奏でした。

そんな中、とあるネット通販の店主からフェルツマンの弾くゴルトベルク変奏曲のCDが素晴らしいとの情報をもらいました。 そこで中古市場を探してフェルツマンの弾くバッハの録音(当時はMaster Musicから出ていましたが、廃盤とのことでした)を集中的に 買い集めました。手に入れたのは平均律第1巻・第2巻フーガの技法ゴルトベルク変奏曲協奏曲集(これらのリンクは近年の再販盤です)。 この人の弾くバッハは、何というか、聴いていてワクワクさせられるような独特の解釈でありながら、それは決して奇異なものでなく、 吸い込まれていくような魅力に溢れています。特にゴルトベルク変奏曲や平均律、こんな曲だったっけと随所で思わされます。 聴いてみるとすぐに気づくと思いますが、リピートでの即興の展開がバリエーションに富んでいるのです。 よくメヌエットなどでリピートでは1オクターブ高く弾いたりする演奏家もいますが、フェルツマンは カノンやフーガのある声部がオクターブ高かったり低かったり、巧妙に組み合わせピアノの特性を上手く音楽表現に用いています。 「バッハの音楽をピアノで」という当サイトの考え方からしても、このフェルツマンの演奏は理想的な演奏のひとつだと私は思いました。

その後、国内盤としてイギリス組曲集がリリースされ、さらには近年、廃盤だったMaster Musicからの録音がNimbusから廉価版として再リリースされました。これによって、彼のユニークなバッハ演奏が少しでも多くの音楽愛好家に聴かれることを願ってます。そして、まだ出ていない、フランス組曲や3声のシンフォニア、その他の自由曲なども、ぜひ録音して欲しいものです。


----(ご参考)Amazonでの入手方法----


パルティータ集
イギリス組曲集
平均律集
ゴルトベルク変奏曲
フーガの技法
協奏曲集

バッハのフルート・ソナタというと、フルートとチェンバロ・オブリガートによるもの(BWV 1030~1032)と、フルートと通奏低音によるもの(BWV 1033~1035)がそれぞれ3曲ずつあります。
これがまた名曲揃いなわけですが、とりわけ傑作の誉れ高いロ短調のソナタ、BWV 1030をフルートの友人と挑戦することにしました。

現代のフルートとピアノで演奏することになるわけですが、私は実はフルートとチェンバロの組み合わせよりピアノとの組み合わせの方がよりいい響きになる、と感じています。ところが、ヴィオラ・ダ・ガンバのソナタや、ヴァイオリンのソナタではピアノとの組み合わせで録音がいくつかあるのですが、フルートのソナタの方でピアノと組み合わせた録音はあまり見かけません。何故でしょう?


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そんな中、唯一私が知っているピアノとの組み合わせでの録音、これが大変お気に入りなものなのでぜひ紹介したいと思います。hänsslerから出ている「Chamber Music For Flute: Gerard(Fl)icon」(BachPodにも入っています)で、無伴奏フルートパルティータ BWV1013 なども含めた2枚組です。

Amazonでは見つけられませんでしたが、NaxosのNMLで聴くこともできます。
http://ml.naxos.jp/album/CD92.121

なおこのCDの中には、リュート組曲 ハ短調 BWV997のフルートとピアノのための編曲が収録されており、それもまたとても心地よい音楽です。

好みは分かれるかもしれませんが、私は是非ともおすすめしたいCDです。

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ハイドシェックのパルティータ

今回はバッハのオリジナル作品の録音についてです。
エリック・ハイドシェック(Eric Heidsieck, 1936-)、フランスの大ピアニストですが、私のCD棚にはモーツアルトとフォーレの録音が数枚ある程度で、バッハを弾いている録音があるなど、知りませんでした。

パルティータ第1番、第2番、第3番 ハイドシェック

先月HMVの新着情報でハイドシェックのバッハ録音が再発売されるという情報を知り予約注文しており、今日届いて早速聴いている次第ですが、その素晴らしさに吃驚させられました。強弱やペダルを多用していますが、細かいところまで配慮が行き届いているというか、丁寧に曲の良さを訴えかけてくるというか、なかなか言葉で表せないながら大変気に入ったのは確かです。曲目は、パルティータ全曲と、イタリア協奏曲、フランス風序曲というバッハの出版された代表作をカバー。よく聴いてみると、なにやら随所に音が追加され艶やかな音楽になっています。もしやブゾーニ版(ペトリ編)?と思いきや、それらとも違いました。ハイドシェックのセンスなのでしょうね。
なお、以下のリンクで、HMVで購入できます。

パルティータ第1番、第2番、第3番 ハイドシェック
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パルティータ第4番、第5番、第6番 ハイドシェック
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イタリア協奏曲、フランス風序曲 ハイドシェック
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バッハの二台ピアノ協奏曲作品の録音(ハイドシェック夫妻での演奏)もあるようで、そちらも到着が待ち遠しいです。

2台のピアノのための協奏曲集 ハイドシェック、T.ハイドシェック、グラン・リュエ音楽祭管
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----(ご参考)Amazonでの入手方法----





何度も紹介しているフェインベルグですが、先日の記事ですぐ入手困難になると書いた、平均律クラヴィーア曲集のCDがまた再発売される模様です。しかも今度のセットはピカイゼン(Vn.)による無伴奏ヴァイオリンソナタと同パルティータ全曲のCDを含めて、全6枚組。破格の値段設定と言えます。
HMVでの紹介記事はこちら

フェインベルグのバッハは未体験という方、ぜひ一度聴いてみてください。


HMV-平均律クラヴィア曲集全曲 フェインベルグ、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲 ピカイゼン(6CD)
HMV-平均律クラヴィア曲集全曲 フェインベルグ、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲 ピカイゼン(6CD)

Bach Performance on Piano (Hewitt)


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先日リリースされた、アンジェラ・ヒューイットのDVD「Bach Performance on Piano」の紹介です。

ヒューイットが、バッハを現代のピアノで演奏するための基礎から応用まで、演奏を交えて解説してくれています。実際にヒューイットの弾くピアノで演奏方法とその効果が聞けるので、とても説得力があります。(日本語字幕もあります)

ピアノが無かった時代のバッハの音楽を、現代ピアノの表現力をもって演奏するにはどうすべきか。まさに私が興味を持っている分野で、このページのメインテーマでもありますが、自他共に認めるバッハ一人者であるヒューイットによって見事に最適解の一例が出されています。レクチャーは約150分、密度の高い内容だと思います。

なおこのDVDは2枚組みで、1枚目に上述のレクチャー、2枚目には演奏会でのライブ映像が収録されています。曲目は、パルティータ第4番、イタリア協奏曲、半音階的幻想曲とフーガです。ピアノはファツィオリです。


----(ご参考)Amazonでの入手方法----

(※リージョンコードの違いにご注意下さい)

ニコラーエワの初出ライブ録音

オリジナルのバッハの曲の話題です。最近発売された、久しぶりのニコラーエワの初出ライブ録音、「Bach: Goldberg Variations」が良かったので紹介します。

1986年11月10日、ロンドンでのライブ録音で、音質も良いです。メインはゴルトベルク変奏曲です。ニコラーエワのゴルトベルクはほかにもいくつか出てますが、これが一番迫力と熱気に溢れている録音です。(後半はミスも多くもたつくところもありますが)

アンコールでパルティータ5番のプレアンブルムと主よ人の望みの喜びよが演奏されています。このパルティータ5番のプレアンブルムがびっくり、速い。興奮気味ながら、力強く突き進み、決して崩壊することなく弾ききっています。すごい演奏だと思います、何度も聴いてしまいました。

そういえばニコラーエワのパルティータの録音は、CDになっているのはまだ4番だけです。メロディアのディスコグラフィーによると、パルティータの全曲を録音しているはずなのですが、なぜ出てこないのでしょうか。

----(ご参考)Amazonでの入手方法----

グールドのイタリアン・バッハ

今回もバッハオリジナルの曲の紹介です。前回バッハが編曲した協奏曲についての話題を書きましたが、かの有名なグールドのCD「未完のイタリアン・アルバム」にもマルチェッロのオーボエ協奏曲の編曲、協奏曲 ニ短調 BWV 974が収録されています。さてこのCD、定番のイタリア協奏曲も素晴らしいですが、中でも最も優れた演奏と感じるのはアルビノーニの主題によるフーガ・ロ短調。グールドならではの完璧なまでに独立した声部の歌い回しには、曲の良さと共鳴し、あらためて感動させられます。跳躍と半音階下降のある、興味をそそられるテーマが重ねられていきます。
Bach/ Fugue on a theme by Albinoni h-moll  BWV 951
(Bach/ Fugue on a theme by Albinoni h-moll BWV 951)

その他の曲としては、レチタティーヴォを大胆な解釈で演奏していく半音階的幻想曲も、グールド本人曰く好きなタイプの曲ではないとのことですが、惹きつけられる魅力を持っています。続くフーガの録音が残されなかったことが残念でなりません。

----収録曲----


  • バッハ: マルチェルロの主題による協奏曲 BWV 974

  • バッハ: アルビノーニの主題によるフーガ BWV 951

  • バッハ: アルビノーニの主題によるフーガ BWV 950

  • スカルラッティ: ソナタ ニ長調 K.430

  • スカルラッティ: ソナタ ニ短調 K.9

  • スカルラッティ: ソナタ ニ長調 K.13

  • C.P.E.バッハ: ヴュルテンブルク・ソナタ第1番イ短調

  • バッハ: イタリア風のアリアと変奏 BWV 989

  • バッハ: イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971

  • バッハ: 半音階的幻想曲 ニ短調 BWV 903/1

  • バッハ: 幻想曲 ト短調 BWV 917

  • バッハ: 幻想曲 BWV 919

  • バッハ: 幻想曲とフーガハ短調 BWV 906

今回は、バッハがチェンバロソロ用に編曲した曲の、ピアノでの演奏を紹介します。バッハが既に編曲済みなので、カテゴリとしては、「ピアノ編曲」ではなく「オリジナル曲」ということになります。
編曲という作業は、バッハの得意技でもありました。編曲を通してバッハの作曲技法が確立されたとも言えます。バッハは、ヴィヴァルディやテレマン、マルチェッロ等の先輩音楽家の協奏曲を、鍵盤楽器ソロ用に編曲しました。そのうちチェンバロ用の曲が16曲と、オルガン用の曲が6曲現存します。色々なバッハ文献に必ず書いてある「イタリア体験」、バッハはこれらの編曲を通じてイタリア形式を学習したとされています。
さて、チェンバロソロで演奏できるということは、ピアノソロでも演奏できるわけですが、残念ながらその数はほとんどありません。私が持っている、実際にピアノで演奏されているCDをいくつか紹介したいと思います。

この分野で最近発売されたのが、ヒールホルツァー(Babette Hierholzer)のCD「Bach: Concerto Transcriptions」です。Amazonにはジャケット画像も曲目も載っていなかったので、ここに載せておきます。
Concerto Transcriptions for Solo Piano
・協奏曲 ニ短調 BWV 974 (原曲:A.マルチェッロ)
・協奏曲 ニ長調 BWV 1054 (原曲:バッハのヴァイオリン協奏曲)
・協奏曲 ト短調 BWV 975 (原曲:ヴィヴァルディ)
・協奏曲 ト短調 BWV 985 (原曲:テレマン)
・協奏曲 ハ長調 BWV 977 (原曲不明)
・協奏曲 ヘ長調 BWV 978 (原曲:ヴィヴァルディ)
・イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971 (オリジナル)

このCDは、各先輩作曲家ごとに偏りなく抜粋し取り上げてありますが、異色なのがバッハのヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV 1042のバッハ自身による編曲版、クラヴィーア協奏曲 ニ長調 BWV 1054をピアノソロで演奏していることです。ヴァイオリンソロをチェンバロソロに編曲する際に、バッハはメロディーを装飾したり細かい音に分けたりしていますが、それを生かし、ソロパートとオケパートを両方ピアノで弾いたというものです。それ以外の曲も、全体的に大人しい演奏ではありますが、クセがなくじっくりと楽しむことができます。

この他には、アレクサンドル・タローのCD「Concertos italiens」や、シプリアン・カツァリスのCD「Italy In Bach 」があります。特にカツァリスのCDは、ヴィヴァルディ=バッハの協奏曲のピアノでの演奏のパイオニアでした。(以前にBach's Italian Journey, Vol. 1というタイトルで発売されていたものの再発売だと思います)

なお、上に挙げたどのCDにも、編曲ではないにもかかわらず、イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971が収録されています。バッハの協奏曲様式の集大成として書き上げた曲ですし、CD企画としても当然のことなのでしょう。


----(ご参考)Amazonでの入手方法----







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プロフィール

田中 博幸 (Hiroyuki Tanaka
hiro105@cc.rim.or.jp
音楽、バッハ、ピアノが好きなサラリーマン。バッハのピアノ編曲に関する楽譜/音源を収集、研究している。フーガやカノンなどの対位法的楽曲を好む。ピアノの他、和声と対位法を勉強中。片手のためのピアノ編曲を創作。「左手のアーカイブ」プロジェクトで編曲家として活動。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
IMSLPに公開した作品は、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスに基づく。

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