バッハの音楽の曲目データベース

編曲数: 5曲
■原曲情報
BWV 1011 無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 ハ短調

■編曲一覧
BWV 編曲者 曲名 調性 楽譜 音源
BWV 1011 ゴドフスキー 無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 ハ短調
BWV 1011 ラフ 無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 ハ短調
BWV 1011/1 ハインツェ 無伴奏チェロ組曲 第5番 より 「序奏」 ト短調 ×
BWV 1011 エヴァンス W. 組曲 第5番 二短調(無伴奏チェロ組曲 ハ短調) ニ短調
BWV 1011 レオンハルト 組曲 ハ短調(無伴奏チェロ組曲 第5番) ハ短調 ×


■曲目・編曲内容解説

チェロ独奏のために極限まで厳選された音で表現されたこの音楽は深い精神性を持ち、 フランス風序曲の楽想で始まるこの曲の前奏曲はこの曲の雄大さの顔となっています。 あきらかにこの前奏曲が全曲の中で本命として書かれており(右上の譜例)、後半は比較的長いフーガ (またはフガート、右下の譜例)を持ちます。 実はあまり知られていませんが、全曲がバッハ自身の手によってリュートのための組曲ト短調 BWV 995 に編曲されています。 (Original:Prelude)
(Original:Prelude)
(Original:Prelude-fugato)
(Original:Prelude-fugato)


バッハ=ゴドフスキー
この組曲全曲を通して編曲されており、チェリストのパブロ・カザルスに献呈されています。 楽譜にも「ピアノのために大いに自由な改作を施したもの」と記されており、 低・高音域の拡大、和声の多様化、複数旋律の同時進行等の技法を駆使して 見事なピアノ曲として生まれ変わっています(右の譜例参照)。楽譜に記されたゴドフスキー本人の注釈では、 「私が追加した音・メロディーすべてがバッハの原曲から導き出される音で、それを省く理由はない」 と書かれています。確かにオリジナルのクラヴィーア曲を勉強する時にも、 楽譜上に印刷されていない隠れたメロディーを意識するようにレッスンで教えられますが、 それが譜面上に全て起こされているのですね。もちろんそれが音楽的に自然となるように再構築されて。
ただ組曲全曲通して演奏する場合、「前奏曲」が極めて荘厳な音楽であるのに対して、 終曲のジーグは非常におとなしく終わります。無伴奏チェロで全曲通して聴くのと比べると、 全曲を通じたバランスに違和感があると感じるのは私だけではないと思います。 楽譜に記されたゴドフスキーの注釈をよく読んでみると、 「このハ短調組曲は、演奏会で弾く場合必ずしも原曲と同じ順序で弾く必要はないだろう。 アルマンドは前奏曲と同じくらいこの組曲の始まりにふさわしい。そしてジーグの後、 最後に前奏曲とフーガを演奏するとよい」 と書かれています。なるほど、この曲の前奏曲をゴドフスキーは「前奏曲」と「フーガ」に分けており、 フーガのコーダは全曲を締めくくるのにふさわしいと思えます。
(Bach=Godowsky:Prelude and Fugue -beginning-)
(Bach=Godowsky:Prelude and Fugue -beginning-)
(Bach=Godowsky:Prelude and Fugue -development of fugue-)
(Bach=Godowsky:Prelude and Fugue -development of fugue-)
作成日:2003/10/11
更新日:2003/11/15
更新日:2003/12/29

blog記事 2007.08.26: Transcendental Bach (1)
【凡例】
楽譜 ○:出版楽譜を所持、△:複写譜を所持、×:不所持
音源 ○:CD・LPを所持、△:非商用録音(アマチュアを含む)を所持、×:不所持


[ トップページへ ]


Copyright © HiRo, All rights reserved.