バッハの音楽の曲目データベース

編曲数: 14曲
■原曲情報
BWV 208 カンタータ 第208番 楽しき狩こそわが悦び(狩のカンタータ) (多種)

■編曲一覧
BWV 編曲者 曲名 調性 楽譜 音源
BWV 208/9 フリードマン カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 ペトリ カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 ハウ カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 ハウ カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」(二台) 変ロ長調
BWV 208/9 ワルシュ カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 ト長調 ×
BWV 208/9 フレミング カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 グレインジャー 幸福な鐘の音(「羊たちは安らかに草を食み」) (調性なし)
BWV 208/9 グレインジャー 幸福な鐘の音(「羊たちは安らかに草を食み」)(簡易版) (調性なし) ×
BWV 208/13 リパッティ カンタータ 第208番より 2つの編曲 1.「毛豊かな獣らの群れ」 ヘ長調
BWV 208/9 リパッティ カンタータ 第208番より 2つの編曲 2.「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 カツァリス カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調 ×
BWV 208/9 レヴィン カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調
BWV 208/9 ゲール カンタータ 第208番 より「羊たちは安らかに草を食み」 変ロ長調 ×
BWV 208/9 グレインジャー 幸福な鐘の音(「羊たちは安らかに草を食み」)(二台) (調性なし) ×


■曲目・編曲内容解説

このカンタータは教会礼拝用ではなくいわゆる世俗カンタータで、オペラに近いものがあります。 音楽を構成するのはレチタティーヴォとアリアで、別名「狩りのカンタータ」と呼ばれています。 狩りのカンタータはバッハの世俗カンタータの中では最も古いものとされてますが、 非常に魅力的な曲を多く含んでおりバッハ自身も後年別の教会カンタータで同じ音楽を使ったりしています。 たとえば第7曲と第13曲のアリアは BWV 68 で使用され、第15曲の合唱は BWV 149 で使用されています。 とりわけ美しい第9曲「羊たちは安らかに草を食み」のアリアなどは多くの音楽家によってピアノ編曲されています。 以下それぞれの編曲についての冒頭部分の譜例をみても、編曲者それぞれの個性があらわれているのがよくわかるかと思います。

バッハ=フリードマン/「羊たちは安らかに草を食み」(第9曲)
フリードマンの編曲はピアノとして美しい響きになるようにコラールのメロディーが広い音域を行き来し、 アルペッジャンドやトリルなどのピアノならではの装飾的な美しさが効果的に盛り込まれています。
(Bach=Friedman/Sheep May Safely Graze)
(Bach=Friedman/Sheep May Safely Graze)

バッハ=グレインジャー/幸福な鐘の音(「羊たちは安らかに草を食み」)
もともと2台ピアノのために編曲されたものらしいですが、ソロ用も残されています。 楽譜をみてまず愕然とするのは、左右ともに10度の和音で開始するところ(右の譜例参照)。 この和音をずらして弾くと効果は半減してしまいますが、そのまましっかりと押さえてきれいな音を出すためには 相当大きな手を持っていないと不可能です。私はぎりぎり押さえられるくらいまでしか指が届かないので、 きれいに演奏するのは難しいです。 この10度和音のメロディーを澄み切った音で弾けば、何とも言えない美しさがあります。 その他にも現代風の和音や高音部での装飾音が使われたり、他の音楽家のバッハ編曲ものには見られない魅力に満ちています。
なお3度に書き換えることで、10度が届かなくても弾けるような簡易版も同じ楽譜内に収録されています。 当然響きの豊かさは落ちますが、それでも他者の編曲にはない独特の美しさをを味わうことができます。
(Bach=Grainger/Blithe Bells)
(Bach=Grainger/Blithe Bells)
<楽譜>
Bach/grainger Blithe BellsBach/grainger Blithe Bells By Johann Sebastian Bach (1685-1750). For Piano. Schott. 12 pages. Schott Music #ED12545. Published by Schott Music (HL.49030403)
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バッハ=ペトリ/「羊たちは安らかに草を食み」(第9曲)
ブゾーニの高弟、エゴン・ペトリによる数少ない編曲のうちの一つです。 全体を通してフリードマン編に比べるとシンプルに見えますが、実際に弾いてみると微妙な和声進行の緊張感を巧みに用い、 素晴らしい編曲に仕上がっていると思います。

(Bach=Petri/Sheep May Safely Graze)
(Bach=Petri/Sheep May Safely Graze)
<楽譜>
Sheep May Safely GrazeLook Inside
Sheep May Safely Graze (from the "Birthday Cantata"). By Johann Sebastian Bach (1685-1750). For solo piano (Piano). BH Piano. Baroque. SMP Level 8 (Early Advanced). Single piece. Standard notation (does not include words to the songs). 5 pages. Boosey & Hawkes #M051280575. Published by Boosey & Hawkes (HL.48002604)
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バッハ=ハウ/「羊たちは安らかに草を食み」(第9曲)
<楽譜>
Sheep May Safely Graze - Piano SoloLook Inside
Sheep May Safely Graze - Piano Solo By Johann Sebastian Bach (1685-1750). Arranged by Mary Howe. For solo piano. Piano. Baroque. SMP Level 8 (Early Advanced). Single piece. 7 pages. Published by Oxford University Press (OU.9780193870819)
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バッハ=リパッティ/「毛豊かな獣らの群れ」(第13曲)
歌謡的要素の強い曲ですが、わかりやすいメロディーで聴き手の心をとらえます。 なお、この曲は BWV 68 で「信仰篤き我が心よ」というアリアで使われており、 フリードマンはその曲をもとにきれいなピアノ曲として編曲しています。
(Bach=Lipatti/Weil Die Wollenreichen Herden)
(Bach=Lipatti/Weil Die Wollenreichen Herden)

作成日:2003/10/23
更新日:2004/09/05
更新日:2010/09/02

【凡例】
楽譜 ○:出版楽譜を所持、△:複写譜を所持、×:不所持
音源 ○:CD・LPを所持、△:非商用録音(アマチュアを含む)を所持、×:不所持


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