バッハのピアノ編曲・音盤紹介 Bach Johann Sebastian. Clavier works, organ works. Samuil Feinberg edition, vol.1 |
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私がこのCDを手に入れたとき、それはもうひどい喜びようでした。
どの曲も、今までに私が買って持っていたCDに含まれている曲だったので
所詮は別の種類のコンピレーションかなと軽く思っていたのですが、それは大間違いでした。
イ短調幻想曲とフーガは1961年の録音。これはTri-MからリリースされているCDに含まれておりますが、
それは1947年の録音でした。また半音階的幻想曲とフーガ
は1962年の録音で、ArbiterからリリースされているFirst Recordingに収録されているのは1948年のものです。
編曲ものではホ短調前奏曲とフーガが、
Tri-Mのものは同じように1948年であるのに対しこのCDのものは1962年です。
1962年というのはフェインベルグの死の年。死の1週間前までレコーディングが続けられていたそうなのですが、
何を思ってバッハの編曲を演奏していたのでしょうか。この偉大なるオルガン前奏曲とフーガは、
1948年の演奏に比べて少しおとなしい演奏になっていますが、それでもテクニックの衰えを知らず、
オクターブで奏するフーガの主題はなんとも言えない推進力を持っており聴き入ってしまいます。
ちなみにフェインベルグの名編曲、ラルゴやコラール前奏曲はメロディアの
Russian Piano School
に収録されているものと同じです。
このCDはロシアの通販サイトで発見し、曲目だけ英語だったので何とか読めたのですが、 購入手続きは全然わからず、ロシア語を昔専攻していた友人に解読してもったところ、クレジットカードは使えず、 代引きのような仕組みで購入するとのことでした。つまり海外からは注文できないわけですが、 なんと親切にも、その友人の友人がロシアに留学中とのことで、購入してもらって送ってもらいました。 こんな音源が、ロシアにはまだまだたくさん眠っているのでしょうか。もったいない限りです。 このCDのタイトルにも「Vol.1」とあるのですが、ぜひ続編も手に入れたい(存在するかどうかすらわかりませんが)! ちなみにライナーノーツはありませんでした。残念。
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