アントニーン・レイハ(Antonín Rejcha, 1770-1836, ドイツ名:アントン・ライヒャ)はチェコ出身の作曲家で、ベートーヴェンと同年生まれで、のちにパリ音楽院でリスト、ベルリオーズ、フランクなどに作曲を教えました。詳細はWikipediaの解説をご参照下さい。

さてこの音楽家、現在では主に管楽曲が有名ですが、ピアノ曲も協奏曲をはじめソナタ、変奏曲、幻想曲などいくつか残しています。その中で、「ピアノのための36のフーガ Op.36」という曲集があり、他の作曲家のテーマやオリジナルの主題を使った個性豊かなフーガが展開されています。
その第5曲が「バッハのテーマによるフーガ」で、平均律第2巻・ト長調 BWV 884 のフーガを元にしています。以下が冒頭部分。3小節目からテーマが変容していることがわかります。

Reicha/ Fugue on the theme of J. S. Bach from 36 Fugues for piano Op.36

これが、こんな風にも展開されます。とても愛らしい軽妙な音楽なのです。

Reicha/ Fugue on the theme of J. S. Bach from 36 Fugues for piano Op.36

Amazon.deで試聴できるようなので、聴いてみてください。

この曲集の初版は1805年とのことですから、現在私が知る限り、バッハの音楽を元にしたパラフレーズとしては最も古いものと言えます。(もし他にあればぜひ教えて下さい!)

楽譜はベーレンライターから再版され、IMSLPのReichaのページでも見ることができますが、残念なことに、ちょうど「バッハのテーマによるフーガ」の途中部分のページが欠落してしまっています。演奏してみたい方は、私までご連絡下さい。

また、この曲集のピアノ演奏が収録されたCDは過去にいくつか発売されました。現状廃盤のようで、Amazon等ではなかなか入手が難しい(高価)ですが、以下リンクを貼っておきます。

----(ご参考)Amazonでの入手方法----