先週末店頭にて、全音から出版された無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番(全曲)のピアノ編曲楽譜を購入しました。出版日を見ると、2009年6月15日。先日blogで紹介した菊地裕介氏のCD「変貌するバッハ」に収録されていた曲で、あの有名なブゾーニ編のシャコンヌを終曲とする組曲全体(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ)を菊池氏がピアノソロ用に編曲したものです。適度に挿入された対旋律が、ピアノで弾く豊かさを増しています。解説も充実しており、編曲にあたっての姿勢・考え方が論理的に書かれていました。共感するとともに、あまりに的確な表現だと感じましたので、そのままの文章を引用させてください。
全曲を通すことによってしか迫れない「何か」を求めた結果である。
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ヴァイオリンによる演奏をピアノによって模倣しようとしたのではない、という筆者のスタンスを強調しておきたい。ピアノという楽器の特徴を活かし、的確で簡潔なイントネーションによって、「音符」によって象徴される幾何学的な美学をより一層浮き彫りにし、ヴァイオリンでの演奏とはまた異なる楽曲の魅力を追求したい。
さらに、ブゾーニ編のシャコンヌにも数多くの校訂報告がなされています。今後シャコンヌを勉強する人々にとっても、有意義な指南となることでしょう。私はまだシャコンヌには挑戦していませんが、その際にはぜひこの楽譜も参考にしたいと思います。何にせよ楽譜全体を通して、非常に密度の濃い素晴らしい内容、価値のある一冊だと思いました。
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