バッハの片手用編曲シリーズ第7弾は、クリスマスにちなんだ選曲で、クリスマス・コラールの「高き天より」。原曲はクリスマス・オラトリオ BWV248の第2部終曲コラール「われらは汝に向かいて歌いまつらん」で、右手ソロ用に編曲しました。コラール部分と器楽合奏部分とが交互に現れますが、ルンメル(Walter Rummel)による同曲のピアノ編曲のアイデアを参考にし、器楽合奏部分は高音域を用いてグロッケンシュピールのような効果を表現しようとしています。
月: 2011年12月
左手のためのアダージョ(マルチェッロによる協奏曲 BWV974 より)
バッハの片手用編曲シリーズ第6弾は、マルチェッロによる協奏曲 ニ短調 BWV974から、第2楽章を左手だけで弾けるように編曲しました。バッハがアレッサンドロ・マルチェッロのオーボエ協奏曲をチェンバロソロ用に編曲したものですが、特に第2楽章はバッハが細かい装飾音を多く書き込んでおり豊かな音楽になっています。左手だけで弾けるようにするために、メロディーラインは1オクターブ下に移しています。そしてほとんどの旋律は1と2の指だけで弾くことになり、力が入ると上手く歌うことが出来ません。左手のための良い練習曲にもなるのではないでしょうか。
右手のためのサラバンド(イギリス組曲第6番 BWV811 より)
バッハの片手用編曲シリーズ第5弾は、イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV811から、サラバンドとドゥーブルを右手だけで弾けるように編曲しました。この編曲は、かつて左手のためのサラバンドを作った時に、同じアイデアで片手編曲ができるのではないかと着想し、大まかにはできあがっていたものを今回あらためて手直ししたものです。
曲の前半・後半とで、サラバンドと、音価を細かくしたドゥーブルとを交互に演奏するように編曲しています。
片手のためのプレリュード(BWV998より)
バッハの片手用編曲シリーズ第4弾は、前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998から、前奏曲を片手だけで弾けるように編曲しました。この編曲は、右手だけ、または左手だけのどちらでも演奏可能にしています。
左手のためのアリオーソ(BWV1056より)
バッハの片手用編曲シリーズ第3弾は、協奏曲 ヘ短調 BWV1056の第2楽章、アリオーソ(ラルゴ)を左手ソロ用に編曲しました。この曲は甘美なメロディーが魅力的で、ピアノソロ用編曲としてもたくさんの編曲が残されています。左手用編曲にあたり、メロディーラインは1オクターブ下でアルト音域にしました。原曲では、終結部は第3楽章に続くための短調のコーダがありますが、ここはコルトー編曲と同様に省略し変イ長調のまま曲を結んでいます。
右手のためのラルゴ(BWV1005より)
バッハの片手用編曲シリーズ第2弾は、無伴奏ヴァイオリンソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005の3楽章を、右手だけのために編曲しました。原曲そのままでも右手だけで弾けますが、そこから複数の声部を抜き出し、ピアノならではの良さを少しでも出すためにバス声部は1オクターブ下で弾くようにしています。大きめの終止では、少し音を厚く豊かにしています。