昨年末より、集中的にバッハのピアノ曲を片手用に編曲する取り組みを進めています。詳細は後にあらためて書きますが、小規模な曲を中心に編曲しており、その中で3月に完成させたやや規模が大きい2つの作品について今回は書きたいと思います。2つとも平均律クラヴィーア曲集 第1巻から、フーガを除く前奏曲です。
1つ目は第8番の変ホ短調で、編曲にあたってはニ短調に移調し、メロディーラインはオクターブ下げています。諸事情によりニ短調に移調しましたが、変ホ短調の版も作ってあります。
J. S. Bach/ Prelude D minor(original is E flat minor) from WTC Book I, arranged for left hand only by Hiroyuki Tanaka.
2つ目は、第24番のロ短調です。こちらは、原曲のバスを割愛し、上二声をオクターブ下げてデュエットの形にしました。部分的にバスを補っていますが、基本は上二声だけで崇高な音楽が成立します。
J. S. Bach/ Prelude B minor from WTC Book I, arranged as a duet for left hand only by Hiroyuki Tanaka.
両曲ともに平均律第1巻の中では大変人気の高い曲であり、このような編曲は非難されることを覚悟した上で。
月: 2016年3月
カバレフスキー編曲のバッハと有森氏のCD
ピアニスト・有森博 氏がリリースしてきた一連のCDで、カバレフスキー(Dimtri Kabalevsky,1904~1987)編曲のバッハがすべて揃いました。
写真は氏のCDと、カバレフスキー編曲の楽譜で、オルガン前奏曲とフーガ ハ短調と、8つの小前奏曲とフーガ集。最初に取り上げたのは約6年前の記事、カバレフスキー編曲のバッハ・オルガン曲。もちろんカバレフスキーのピアノ曲の全曲録音がメインテーマかとは思いますが、第2集、第4集、そして2015年にリリースされた第5集には、それぞれバッハのピアノ編曲が数曲ずつ同時収録されてきました。各集の収録曲は以下の通りです。
■カバレフスキー 2
・8つの小前奏曲とフーガ 第1番 ハ長調 BWV 553
・トッカータとフーガ ニ短調 (ドリア調) BWV 538
■カバレフスキー 4
・前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 549
・8つの小前奏曲とフーガ 第3番 ホ短調 BWV 555
・8つの小前奏曲とフーガ 第4番 ヘ長調 BWV 556
・8つの小前奏曲とフーガ 第5番 ト長調 BWV 557
・8つの小前奏曲とフーガ 第6番 ト短調 BWV 558
・8つの小前奏曲とフーガ 第7番 イ短調 BWV 559
・8つの小前奏曲とフーガ 第8番 変ロ長調 BWV 560
■カバレフスキー 5
・8つの小前奏曲とフーガ 第2番 ニ短調 BWV 554
・トリオ・ソナタ 第2番 ハ短調 BWV 526
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