今日紹介するのは、カンタータ第29番の序曲の編曲です。原曲はオルガンにトランペットやティンパニーが加わり、祝祭的な雰囲気いっぱいの曲ですが、さらにさかのぼると無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ホ長調と同じ音楽になります。今回は出版譜として持っている以下4つの編曲を比較してみました。
まず最近手に入れたものとして、カートゥン(Leon Kartun)の編曲です。カートゥンについては何の情報も持っていません(カタカナ表記が妥当かどうかもわかりません)。
(Bach=Kartun/ Ouverture from Cantata No.29 BWV 29)
次に紹介するのは、サンサーンスによる編曲。Kartun編曲よりもオクターブを多用しているため、より派手になっています。楽譜が入手できる店は限られますが、CDはNAXOSから出ているため比較的容易に入手できます。(アマゾンではこちら→Piano Transcription)
(Bach=Saint-Saens/ Ouverture from Cantata No.29 BWV 29)
サンサーンス編よりさらに音が多いのが、ケンプ編です。こちらは日本では全音から出版されていますし、比較的手に入れやすい部類の楽譜です。
(たとえばAmazonではこちら→楽譜:バッハ=ケンプ ピアノのための10の編曲、CD:Bach Arrangements)
(Bach=Kempff/ Prelude(Sinfonia) from Cantata No.29 BWV 29)
4つ目に紹介するのは、リストやチャイコフスキーの弟子であり、ラフマニノフの師として有名なシロティの編曲。非常にわかりやすくシンプルな編曲です。
(Bach=Siloti/ Prelude(Sinfonia) from Cantata No.29 BWV 29)
こうして4つ並べてみると、それぞれずいぶんとちがった手法で編曲しているのがよくわかります。優劣をつけるのではなく、楽しみ方が違うと私は思っています。
—-(ご参考)Amazonでの入手方法—-