この冬、私は初めて楽譜校正・解説執筆という、楽譜出版のお手伝いをさせていただきました。その楽譜がようやく発売されましたので紹介したいと思います。J.S.バッハ/ストラダル ブランデンブルク協奏曲(ピアノソロ版)です。ブランデンブルク協奏曲の編曲ということで、「アレンジによる抜粋・ハイライト版、または簡易版か?」というお問い合わせを何件かいただきましたが、全6曲省略等は一切無い完全版です。
ところでストラダル (以前は「ストラーダル」とも表記していましたが、「ストラダル」に統一しました)については、このページ内でも何度も紹介してきました。曲目データベースを見てわかる通り、たくさんのバッハのピアノ編曲を残しています。過去の文献(ストラダルの妻による伝記)には出版社・曲名・プレート番号のみが曲目リストに掲載されており、見ただけでは同じ調の楽曲の区別がつきませんでした。そこで、今回出版した楽譜の解説ページには、ストラダルが出版した楽譜(未出版の手稿譜含む)の一覧をBWV番号と紐付けて掲載しました。
そしてリプリントといっても、全てデジタル浄書し直したもので、読譜しやすくなっています。Schuberth社から出版されていたオリジナルの楽譜上いくつもの誤植と思われる箇所についても、原曲と比較して修正を加えました。
何にせよ、ブランデンブルク協奏曲は私がバッハの曲の中で最も好きな曲集なので、その出版に携わることができて幸せです。
最後になりましたが、校正や独語文献和訳のお手伝いをして下さったHさん、Yさん、Mさん、ありがとうございました。