バッハ片手用編曲の14曲目は、オルガン曲のパストラーレ ヘ長調 BWV590 から第3楽章を、左手だけで演奏できるように編曲しました。『ルパン三世 カリオストロの城』で、婚礼シーンで使われた音楽ですので、バッハを知らないかたでもご存知の曲かもしれません。私も初めて映画を見た時にはバッハの曲だとは知りませんでした。
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左手のためのコラール「我汝を呼ぶ、主イエス・キリストよ」(BWV639)
バッハ片手用編曲の13曲目は、オルガン小品集からコラール前奏曲「我汝を呼ぶ、主イエス・キリストよ」を、左手だけで演奏できるように編曲しました。
この曲も数々のピアノソロ編曲がある名曲。ゆったりとした曲なので、広い音域にわたるアルペッジョを多用してみました。
右手のためのサラバンド(イギリス組曲第4番 BWV809 より)
バッハ片手用編曲の12曲目は、イギリス組曲 第4番 BWV 809 のサラバンドを、右手だけで演奏できるように編曲しました。イギリス組曲第6番のサラバンドを右手用に編曲したときと同じアイデアです。繰り返し部分はドゥーブルを新たに作って挿入しました。
左手のためのカンツォーナ(BWV588 より)
バッハ片手用編曲の11曲目は、カンツォーナ BWV 588の前半部分を、左手だけで演奏できるように編曲しました。
原曲はバッハのオルガン曲で、四声のフーガになっています。四分の四拍子による前半と、二分の三拍子の後半からなりますが、今回はまずは前半部分に挑戦しました。
今までの編曲に比べて、四声の独立した声部を片手で弾けるように編曲するのは大変難しく、色々と試行錯誤を繰り返しました。
フーガの主題と対主題は原則オリジナルのままにし、自由唱の部分を変形さ・跳躍させて広い音域を弾きわけるようにしています。同じ音がオクターブで重なる部分などはむしろ省略した方がすっきり聞こえるので、七や九の和音を使うところや、低音を響かせたいところ以外はほとんど三声にしてます。
バッハ好きとしては、難しいながらもこのような曲を片手用に編曲してみたかったので、今回の挑戦はとても多くの達成感を得ることが出来ました。
右手のためのアリオーソ(BWV 992 より)
バッハの片手用編曲シリーズも、10曲目になりました。
今回は、「親愛なる兄の旅立ちに向けたカプリチォ」 BWV 992 より 第1曲アリオーソを、右手だけで演奏できるように編曲しました。原曲はバッハの若い頃の作品で、珍しい表題付き音楽です。
編曲にあたり、上2声は音域を変えずに、バスは場合によって1オクターブ高い位置で奏し、右手だけで弾きやすく変えています。上2声は平行6度・3度が長く続くため、一つの声部のように記譜しています。
左手のためのプレリュード ロ短調(BWV855a、Siloti編に基づく)
バッハの片手用編曲シリーズ第9弾は、ジロティ編曲の前奏曲 ロ短調(バッハの原曲はホ短調BWV855a)を左手だけのために編曲しました。メロディーを1オクターブ低くし、バス和音は適宜転回形を用いて、片手で弾きやすいように改変しています。
左手のためのシンフォニア(シンフォニア第5番BWV791)
本年もどうぞよろしくお願い致します。
バッハの片手用編曲シリーズ第8弾は、シンフォニア第5番 変ホ長調 BWV 791を、左手だけのために編曲しました。上2声のメロディーを1オクターブ低くしている他に、バス声部では、原曲では16分音符の上昇音型を三連符にすることで、上2声の長前打音などの装飾を片手でうまく弾くための余裕を持たせています。なお29小節目からの再現部では、原曲と同じ音域に移して変化を与えています。
右手のためのクリスマス・コラール(BWV248より)
バッハの片手用編曲シリーズ第7弾は、クリスマスにちなんだ選曲で、クリスマス・コラールの「高き天より」。原曲はクリスマス・オラトリオ BWV248の第2部終曲コラール「われらは汝に向かいて歌いまつらん」で、右手ソロ用に編曲しました。コラール部分と器楽合奏部分とが交互に現れますが、ルンメル(Walter Rummel)による同曲のピアノ編曲のアイデアを参考にし、器楽合奏部分は高音域を用いてグロッケンシュピールのような効果を表現しようとしています。
左手のためのアダージョ(マルチェッロによる協奏曲 BWV974 より)
バッハの片手用編曲シリーズ第6弾は、マルチェッロによる協奏曲 ニ短調 BWV974から、第2楽章を左手だけで弾けるように編曲しました。バッハがアレッサンドロ・マルチェッロのオーボエ協奏曲をチェンバロソロ用に編曲したものですが、特に第2楽章はバッハが細かい装飾音を多く書き込んでおり豊かな音楽になっています。左手だけで弾けるようにするために、メロディーラインは1オクターブ下に移しています。そしてほとんどの旋律は1と2の指だけで弾くことになり、力が入ると上手く歌うことが出来ません。左手のための良い練習曲にもなるのではないでしょうか。
右手のためのサラバンド(イギリス組曲第6番 BWV811 より)
バッハの片手用編曲シリーズ第5弾は、イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV811から、サラバンドとドゥーブルを右手だけで弾けるように編曲しました。この編曲は、かつて左手のためのサラバンドを作った時に、同じアイデアで片手編曲ができるのではないかと着想し、大まかにはできあがっていたものを今回あらためて手直ししたものです。
曲の前半・後半とで、サラバンドと、音価を細かくしたドゥーブルとを交互に演奏するように編曲しています。