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Canon realization in the form of variations on bass-ostinato (from Bach's 14 Canons on the first 8 fundamental notes of the Aria from Goldberg Variations, BWV 1087), compiled and transcribed for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka.
左手のための、変奏曲形式によるカノンの展開(バッハ:ゴルトベルク変奏曲のバス8音に基づく14のカノン BWV1087)編作:田中博幸
bwv1087_left.jpg
片手用のバッハ編曲、理論先行型でありつつ演奏・鑑賞にも耐えうる作品が書けました。

BWV1087の14のカノンを、4つのカノン構成要素と10の応用カノンとみなして、カノン構成要素2つで主題提示、10のカノン変奏、カノン構成要素2つに回帰するという構成。10のカノン変奏では、すべてバスは繰り返し、繰り返し時に各対位主題の反行形、逆行形、拡大形、縮小形などを使いました。
同一バス上の変奏とするために、反行形では途中から繰り返し後の途中までという形でまとめ、片手演奏用に音形音域を変更したものも忠実に反行させています。上の譜例で、右上の第10変奏などは、前半は1/2縮小形として、後半は等倍・2倍拡大形をそれぞれバス主題(4倍拡大形)に組み合わせています。

カノンは、本来は複数声部の重なりと掛け合いがあってこそ味わえる魅力がありますが、残念ながら片手用編曲としては離れた音域の複数声部を重ねることは難しいです。一方でバッハが用意した対位主題の反行形、逆行形、拡大形、縮小形などを、バス主題上の変奏曲の形で並べることで新しい魅力が引き出せました。


左手のための組曲 ホ短調 BWV996

Suite in e minor, BWV 996, transcribed for the left hand only by Hiroyuki Tanaka. Happy belated J. S. Bach's birthday.
bwv996_left.jpg

プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、ブーレ、ジーグ、舞曲全てを左手用に編曲しました。
以前プレリュードの前半を小前奏曲として作っていましたが、後半のフガートもうまく編曲できたため、全曲の編曲に挑戦してみることにしました。
結果、ジーグ以外はかなりうまくいったと思います。ジーグについてはやや弾きづらく、改善の余地があります。
また、全体的に音域が低い方に偏っているため、イ短調にして少し音域を上げても良いかもしれません。

'Sonata' from Cantata No.182 for piano solo

前回更新に引き続き、昔の作品、カンタータ 第182番 「天の王よ、汝を迎えまつらん」 BWV 182 より 第1曲「ソナタ」 を、見直して細かい手直しを加え、楽譜をSheet Music Plusで運営しているSMP Pressにて、PDFで販売することにしました。

'Sonata' from Cantata No.182 "Himmelskönig, sei willkommen" BWV 182

Cover tiny file look inside Sonata from Cantata No.182, for piano solo Composed by Johann Sebastian Bach (1685-1750). Arranged by Hiroyuki Tanaka. For Piano Solo. Baroque Period. Advanced Intermediate. Piano Reduction,Solo Part. 3 pages. Published by Hiroyuki Tanaka (S0.130151).

およそ10年前、まだピアノ編曲を手探りで作っていた頃の作品、音楽のささげもの BWV 1079 トリオソナタ より 第1楽章「ラルゴ」。楽譜をSheet Music Plusで運営しているSMP Pressにて、PDFで販売してもらうことになりました。
楽譜を公開するにあたり、改めて見直ししてみました。当時のインスピレーションを尊重し、編曲方針はそのままにして、弾きやすさや音楽理論的により相応しいと思われる形になるように手直ししました。

Largo from Trio sonata in c minor ~ Musical Offering BWV 1079

Cover tiny file look inside Largo from Trio Sonata in c minor ~ Musical offering BWV1079 For Piano Solo. Baroque Period. Advanced Intermediate. Solo Part. 5 pages.

昨年末より、集中的にバッハのピアノ曲を片手用に編曲する取り組みを進めています。詳細は後にあらためて書きますが、小規模な曲を中心に編曲しており、その中で3月に完成させたやや規模が大きい2つの作品について今回は書きたいと思います。2つとも平均律クラヴィーア曲集 第1巻から、フーガを除く前奏曲です。

1つ目は第8番の変ホ短調で、編曲にあたってはニ短調に移調し、メロディーラインはオクターブ下げています。諸事情によりニ短調に移調しましたが、変ホ短調の版も作ってあります。
J. S. Bach/ Prelude D minor(original is E flat minor) from WTC Book I, arranged for left hand only by Hiroyuki Tanaka.
Bach=Tanaka/Prelude in D minor(original is E flat minor) BWV 853/1 for left hand only

2つ目は、第24番のロ短調です。こちらは、原曲のバスを割愛し、上二声をオクターブ下げてデュエットの形にしました。部分的にバスを補っていますが、基本は上二声だけで崇高な音楽が成立します。
J. S. Bach/ Prelude B minor from WTC Book I, arranged as a duet for left hand only by Hiroyuki Tanaka.
Bach=Tanaka/Prelude in B minor BWV 869/1 for left hand only

両曲ともに平均律第1巻の中では大変人気の高い曲であり、このような編曲は非難されることを覚悟した上で。

左手用編曲の再燃

12月は、上旬にワンハンド・ピアノフェスタに参加して再び片手用編曲について刺激を受けて、たくさんの左手用編曲に取り組み、その中で以下を仕上げました。

小前奏曲 ハ長調 BWV 924
J. S. Bach/ Little Prelude in C Major, BWV 924 arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka
BWV924の小前奏曲は、原曲に忠実な版と、ペダルを使わなくても弾けるように簡略化した簡易版を作りましたが、結果的には簡易版の方が純粋でいい出来のように思います。

イギリス組曲より「二つのサラバンド」
J. S. Bach/ Two Sarabandes from English Suite(No.4 in F Major, No.6 in d Minor),  arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka

イギリス組曲からの二つのサラバンドは、四年前の作品(第6番第4番)の練り直しです。今回はドゥーブルは無しで、より音を厳選して、無理な跳躍を避けてペダルなしでも弾けるようにしました。この編曲を通じて、昔と比べて進歩していると実感することができました。

コラール前奏曲「甘き喜びのうちに」
J. S. Bach/ Chorale 'In Dulci Jubilo', BWV 729 arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka
J. S. Bach/ Chorale 'In Dulci Jubilo', BWV 729 arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka
バッハ若き日のオルガンコラール編曲、「甘き喜びのうちに」は、思いついてから一気に作ったものですが、無理なく広い音域を使っていて、自分でもかなりうまく仕上がったと思います。

小前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 533
J. S. Bach/ Prelude and Fugue in e Minor, BWV 533 arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka
J. S. Bach/ Prelude and Fugue in e Minor, BWV 533 arranged for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka
BWV533の小前奏曲とフーガは、フーガを含めてさほど無理なく編曲出来たということで満足していますが、上記のコラール編曲の方に比べると弾き易さは劣りますし、やはりフーガは初めから片手用に意識して創作されたものでないと難しいということを今回も痛感しました。

まだまだ片手用編曲構想中の曲がたくさんありあります。2016年も積極的にアウトプットしていきたいと思います。

J. S. Bach/ Prelude C sharp major from WTC Book I, arranged as an etude for left hand only by Hiroyuki Tanaka.

バッハ片手用編曲の20曲目は、平均律第1巻の第3番 前奏曲 嬰ハ長調(フーガは除く)を、左手用の練習曲として編曲しました。

J. S. Bach/ Prelude C sharp major from WTC Book I, arranged as an etude for left hand only by Hiroyuki Tanaka.

今回は演奏会用の効果の追求や、あたかも両手で弾いたかのうに聞こえるような編曲ではなく、片手だけでバッハの音使いを感じることができるような編曲に仕上げました。

ピアニストの Paul Barton 氏から、私の編曲「左手のためのプレリュード ロ短調(BWV855a、Siloti編に基づく)」を弾いて録画したよ、という嬉しい連絡が来ました。
しかもIMSLPにある私の楽譜を偶然見つけて、私と同じ発想で生後5ヶ月の娘さんを抱っこしながらの演奏。IMSLPで公開しておいて良かったとあらためて実感した出来事でした。


(Quoted from Paul Barton's description)
I found this left hand arrangement by chance in the IMSLP Music Library and thought it would be nice to play to my daughter Emilie (5 months old). I made this video today and in adding the link to the sheet music Goggled the arranger Hiroyuki Tanaka and was happy to discover he too has a video playing this piece to his baby.

カンタータ第196番「主はわれらをみ心にとめたまえり」より第1曲「シンフォニア」
'Sinfonia' from Cantata No.196 "Der Herr danket an uns" BWV 1196

2015年3月21日、バッハの生誕330年の誕生日(をちょうどいい口実に)、久しぶり(何と5年ぶり!)に両手のための編曲を完成させました。
カンタータ第196番「主はわれらをみ心にとめたまえり」のシンフォニアをピアノソロに編曲しました。今回はピアノ用に適した書法というよりも、複数声部の器楽合奏曲を三声部に凝縮するという試みです。ピアノ高音部の使用も、低音のオクターブ化も避け、ピアノだけでなくチェンバロでの演奏も可能にしています。

Bach=Tanaka/ Sinfonia from Cantata No.196 BWV 196
(Bach=Tanaka/ Sinfonia from Cantata No.196 BWV 196)

原曲は二つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、通奏低音による合奏ですが、一台の鍵盤楽器で演奏できる三声として、音域が近すぎず遠すぎず、最適な配置になることに注意を払って編曲しました。その際に、音楽が不自然にならない前提で、声部の統合や音域の変更は躊躇せずに実施しています。

実はこの曲、一度はピアノに適した編曲を目指して低音のオクターブ化や音の追加を行い、ある程度の形まで作っていたのですが、推敲途中でシンプルにした方がいいのではないかという思いから少しずつ音をそぎ落としているうちに、三声で書き直した方が良いのではないかと思い直して路線変更しました。原曲の音をできる限りたくさん拾うという努力ではなく、音を省きつつ凝縮していこうという努力。これもなかなか難しいですが挑戦のし甲斐がありました。

バッハ片手用編曲の19曲目です。パッサカリア ハ短調 BWV 582(ただしフーガは除く)を、左手だけで演奏できるように編曲しました。低音域から高音域まで、またPPからFFまで広く使い、演奏会用途を意識した編曲です。

J. S. Bach/ Passacaglia in c minor, BWV 582 (except fugue) transcribed for piano left hand only by Hiroyuki Tanaka

原曲は有名なオルガン曲、手鍵盤+足鍵盤の曲を片手だけにするのはなかなか大変ですが、足鍵盤はほとんどがテーマを演奏していて、かつ二分音符+四分音符の同じリズムのため、片手で弾くための工夫が比較的しやすかったです。大変なのは手鍵盤+足鍵盤がそれぞれ大きく動くような変奏部分や、五〜六声まで厚くなる終結部などで、どう編曲するか音の構成を何度も考え直しました。フーガ部分はさらに複雑で、編曲を断念せざるを得ませんでしたが、フーガに入る前までの20の変奏は全て編曲しました。

今年は色々と大変で、創作はあまりたくさん残せなかったのですが、その中でも何とか規模が大きい1曲を完成できて良かったです。

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プロフィール

田中 博幸 (Hiroyuki Tanaka
hiro105@cc.rim.or.jp
音楽、バッハ、ピアノが好きなサラリーマン。バッハのピアノ編曲に関する楽譜/音源を収集、研究している。フーガやカノンなどの対位法的楽曲を好む。ピアノの他、和声と対位法を勉強中。片手のためのピアノ編曲を創作。「左手のアーカイブ」プロジェクトで編曲家として活動。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
IMSLPに公開した作品は、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 3.0 非移植 ライセンスに基づく。

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