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カツァリス、フィオレンティーノ、その他雑多な更新
(06/10/08)
全く更新せずに半年近く経ってしまいました。 これまでの間、海外の音楽愛好家からいろいろな楽譜をいただきました。まだ整理しきれていませんが、 少しずつ反映していきたいと思います。
まずは、シプリアン・カツァリスのCD、
Cyprien Katsaris - Bach Recital Vol. 2 (Transcriptions)
に収録されていた、
管弦楽組曲ロ短調の「バディヌリー」
の楽譜。 これは出版譜ではなく耳コピ採譜(!)したものです。採譜してくれた人に大感謝です! この驚異的なパラフレーズ、楽譜の一部を紹介します。 これは第1テーマが繰り返された部分で、メロディーは左手、右手では高音部で煌びやかな音のすだれが奏でられます。
次に紹介するのが、セルジオ・フィオレンティーノが編曲した
無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番
の全曲。この曲の録音はAPRから出ている フィオレンティーノのCD、
Sergio Fiorentino Edition J.S.Bach Volume 1
に収録されています。 全曲の編曲は他にはゴドフスキーによる編曲がありますが、フィオレンティーノ編の方が少ない音で原曲に近い雰囲気を伝えてくれます。 まるでバッハオリジナルのクラヴィーア曲であるかのように。 原曲のヴァイオリンの音の他に、必要最小限の効果的な音を追加しています。ヴィヴァルディの協奏曲をバッハがクラヴィーア曲に 編曲したのと同様に、素晴らしい編曲です。
この他には、様々な音楽家による
トッカータとフーガ ニ短調
の編曲、 コーエン、アルスドルフ、ガーバンらによるカンタータの編曲などを
編曲データベース
に追加しました。
hyperionのバッハ編曲集第6弾(ルンメル)のCD紹介
(06/05/30)
先日少しだけ紹介した、hyperionからリリースされたバッハピアノ編曲集の第6弾について。 今回は、
ワルター・ルンメル
の編曲を集めています。 ルンメルの編曲のほとんどはカンタータの中の序曲かアリアが原曲です。
サーント編曲の幻想曲とフーガ ト短調
(06/05/26)
テオドール・サーントの編曲による
幻想曲とフーガ ト短調 BWV 542
。 海外の音楽愛好家からいただきました。オルガンの原曲はバッハの全作品中でも最も有名な10曲に入るでしょう。 以前からずっと探していたもので、手にしたときには大変感動しました。 サーントはあのブゾーニの弟子の一人で、他にも
パッサカリア
の編曲がありますが、 その優れた編曲からト短調の幻想曲もきっと素晴らしい編曲なのだろうと期待していました。 1年半前くらいに、
カツァリスのバッハ編曲集
のCDこのサーント編曲 (さらにカツァリスが編曲)が入っているのを聴いて、ますます見てみたくなったのをよく覚えています。 以下の譜例は冒頭部分ですが、なんと分厚い編曲でしょう。途中では親指で同時に3つの音(黒鍵)を鳴らすなど、 常に大量の音が同時に鳴っているような編曲です。
一方で、この曲のピアノ編としてはかなり有名なリストの編曲があります。サーント編と比べてみましょう。 リスト編の後期改訂版の譜面は以下のようになっています。少なくとも幻想曲では、音の分厚さはないものの、 音色の多様さとしてはリスト編も負けていないと思います。特に左手のOssia、この対位句にはすばらしい効果があります。 前述のカツァリス編曲は、サーントの分厚い編曲にこのリストの対位句を伴わせたものでしょう。 その気持ち、よくわかります。
しかし幻想曲が終わってフーガに入ると、リスト編の霊感に満ちた編曲は失速します。 立体感に欠けるのっぺりとした音の扱い。フーガにも改訂を加えOssiaを付けて欲しかったものです。 それに比べサーント編はフーガでも強靱さを失いません。 高音域の活用、そして1音間隔でオクターブにして響きを増強した旋律。以下の譜例はまさにそのいい例です。
カツァリスの、サーントとリストの「いいとこ取り編曲」は、ある意味必然的な解答なのかも知れません。
数々の編曲入手と、hyperionのバッハ編曲集第6弾(ルンメル)
(06/05/08)
バロック好きの先輩からいくつかピアノ編曲の楽譜をいただきました。ありがとうございました! まず、
カバレフスキー
編曲の
オルガン前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 549
。 さすがカバレフスキー、分厚い和音をうまく織り込んだ、オルガン曲のピアノ編曲にふさわしい効果を出しています。 3/21の更新履歴で紹介したヘルシャー編曲の同曲と比べてみても、 その先の展開が楽しみになる編曲ではないでしょうか。
次に、バルトーク編曲の
トリオソナタ 第6番 ト長調
。これは 「
Transfigured Bach
」というCDで音で聴くことができますが、これも非常に演奏困難な曲です。
もう一つはエドヴィン・フィッシャー編曲の、
シチリアーノ
。 これはクラヴィーア協奏曲 第2番の第2楽章で、情緒豊かな緩徐楽章です。
情報提供ありがとうございました。
最後にバッハのピアノ編曲の新譜情報を。hyperionから、バッハピアノ編曲集の第6弾が出ました。 今回のテーマは、
ワルター・ルンメル
編曲のバッハ。 ルンメルの編曲のほとんどはカンタータの中の序曲かアリアが原曲です。追ってCD紹介のページで紹介します。 なおルンメル編曲はまだ
編曲データベース
上に全て整理できてません。 数がたくさんあって、どれがどの編曲かカンタータを実際に聴いて調べないとわからないのです・・・。
ゴドフスキー編曲、ニコラーエワ編曲
(06/04/26)
先日書いた、コンスタンチン・シチェルバコフ(シェルバコフ)のCDが到着しました。ゴドフスキーの編曲で、 バッハの無伴奏チェロ組曲(2番、3番、5番)です。さすが、なかなかすっきりと聴かせてくれます。 しばらく聴き込んでみようと思います。
ところで先週末、ニコラーエワ編曲の
前奏曲とフーガ ト短調
の入ったCD(自編自演)を店頭で見かけ、購入しました。90年代前半に発売されていたようで、 見かけたことはあったかもしれませんが、CDのタイトルが「小前奏曲とフーガ集」とあったことで 中にオルガン曲の編曲が入っているとは思いもしなかったから、今まで全然気づかなかったのでしょう。 この曲は結構好きな曲で、シロティ編は前奏曲のみでフーガがなく残念だったのですが、 ニコラーエワはフーガも通しで編曲しています。シロティ編ほど派手では無いですが、なかなか味わいのある演奏でした。 小前奏曲とフーガの連作も、これがまた素晴らしい録音。グールドを聴いたときとはまた別の感動を覚えました。
シチェルバコフのゴドフスキー編バッハの新譜、ほか
(06/04/08)
コンスタンチン・シチェルバコフ(シェルバコフ)といえば、Marco Poloに数々のゴドフスキーのピアノ曲を録音してきましたが、 ついにバッハの無伴奏チェロ組曲のゴドフスキー編(2番、3番、5番)を録音してくれましたので、早速注文しました。到着が楽しみです。
その他に、フランスからは
ヘルシャー
編曲の
トッカータとフーガ ニ短調
の楽譜が届きました。 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV 532 も編曲しているようで、注文していたのですが絶版との連絡がきました。残念。
曲目解説追加
(06/04/02)
曲目データベース
に譜例付きで曲目解説を2曲ほど追加しました。 曲目解説の追加は実に1年ぶり以上になってしまいました。 まず新規追加は、
無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番
。 私事ですが、次回の演奏会に向けてラフマニノフ編に挑戦しています。
続いて
ホ短調のオルガン前奏曲とフーガ
。 こちらは以前から掲載していましたが、去年入手したレーガー編についてと譜例を追加しました。
もう少しハイペースで増やしていきたいとは思っているのですが・・・。
ややマイナーなオルガン前奏曲とフーガの編曲
(06/03/21)
またしても前回更新からだいぶ間が空いてしまいました。
フランスから
ヘルシャー
編曲の楽譜が2つ届きました。どちらもオルガン前奏曲とフーガの中から、ハ長調 BWV 531とハ短調 BWV 549。 この音楽家の編曲は、他には
幻想曲とグラーヴェ
などがありましたが、 ちょうどリストやブゾーニが編曲していなかったオルガン曲を狙っていたのでしょうか、ややマイナーな曲の編曲ばかりがあります。 出版社はEschigです。なおニ長調 BWV 532とニ短調 BWV 565についても編曲しているようで、注文し到着待ちです。
下の楽譜は、前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 531。この曲はピアノのすっきりした音で奏でることで映えます。
そして、下は前奏曲とフーガ ハ短調 BWV 549。
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