過去の更新履歴/話題(2005年)
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  • レーガー編のオルガン前奏曲とフーガ (05/11/21)
    バッハ好きの先輩から、マックス・レーガー編曲の オルガン前奏曲とフーガ 「ニ長調」と、「ホ短調」 の譜面を複写させていただきました。ありがとうございました!
    このホ短調の前奏曲とフーガは、私が特に気に入っている曲なのですが、 これまたレーガー編の恐ろしいまでの重厚な編曲、以下譜例は冒頭部分ですが、フーガ中間部の火花のほとばしるパッセージも 同じようにすべてオクターブという、オルガン原曲での一般的な速度での演奏はほとんど不可能でしょう。 (9月に演奏された方がいらっしゃるのですが、平日だったため私は残念ながら聴きに行けませんでした。) オルガン譜と比較してみると、オクターブ化による音量・重量感の増加の他にも、原曲に無い音をずいぶんたくさん挿入しているようです。 この曲の他編曲としては、おとなしいリスト編、レーガー編に比べれば現実的なフェインベルグ編があります。

    Bach=Reger/Prelude and Fugue e-moll BWV 548

  • 曲目紹介、音盤紹介追加 (05/11/15)
    すっかり更新が滞ってしまっていました。 今回は先月入手したCDの紹介です。Junnichi Steven Sato編曲のパッサカリア、 自編自演の入ったCD「PIANO TRANSCRIPTIONS」です。 この編曲はブゾーニによるオルガン曲の編曲のように、時には音型を変えながら、これでもかという分厚い音を鳴り響かせます。 ベダルで残しつつ低音部から高音部までくまなく弾く部分は、3段譜は当たり前、フーガ前の盛り上がりとコーダ部分は4段譜になります。 なおこのCDはAmazon.comで購入できます。

    Bach=J.S.Sato/Passacaglia c-moll BWV 582

    その他に、6月頃に更新履歴/話題で紹介した、カール=アンドレアス・コリーの 「バッハ・トランスクリプション集」を音盤紹介に追加しました。 ブゾーニ、リスト、ケンプ、ヘス等の編曲に加え、コリー自身による編曲も含まれています。

  • 無伴奏弦楽器曲のチェンバロ編曲、ブゾーニの対位法的練習曲 (05/08/08)
    個人的な話ですが引越をしまして、その関係でいろいろとばたばたしており、すっかり更新が滞ってしまいました。
    さて前々から、このページで取り上げるかどうか悩んでいた部類の曲があります。 それが協奏曲や無伴奏弦楽器曲のチェンバロ編曲のもの。 古くは、バッハがヴィヴァルディ等の先輩達の協奏曲をチェンバロソロに編曲していたものが残されていますし、 バッハ自身も自作の無伴奏曲をチェンバロ編曲していたことはよく知られています。 チェンバロ編曲ということは、ピアノで弾こうと思えば弾けるということで、このページでも取り上げることにしました。 前から持っていたCDとしては、 ボブ・ファン・アスペレン 編曲の無伴奏ヴァイオリン曲の数々。そして最近購入した、 グスタフ・レオンハルト 編曲のもの。それぞれ、楽器の音域に合わせて移調してあります。楽譜は見たことがないですが、これをぜひピアノで 弾いてみたいものです。以上、曲目データベースに追加しました。

    全く話が変わりますが、以前注文していたブゾーニの作品「バッハに基づく2つの対位法的練習曲」 (Breitkopf, Zwei Kontrapunkt-Studien nach J. S. Bach)の楽譜が届きました。1曲目はクラヴィーア曲の中でも 荘重な傑作、幻想曲とフーガ イ短調 BWV904を題材に、潜在的な対位旋律の解説が掲載されています。 そして2曲目は「王の主題によるカノン風変奏曲とフーガ」 (Kanonische Variationen und Fuge aus J. S. Bach's "Musikalisches Opfer"')。 これは「音楽の捧げもの」に収録されている様々なカノンを、解決させた形で並べて変奏曲のように 仕立て上げ、終曲にフーガ・カノニカを配置しています。チェンバロ一台で弾くことは難しいカノンも ピアノソロで弾けるように編曲されています。玄人好みの名作と言えるでしょう。

  • クルタークのバッハ編曲集到着、他 (05/06/19)
    1年半前に掲示板で教えていただいた、ハンガリーの現代作曲家・ クルタークによるバッハ編曲(連弾)の楽譜を ようやく見つけました。EMB(Edito Musica Budapest)から出版されている、'TRANSCRIPTIONS from Machant to J.S.Bach' という曲集に入っています。 以下の譜例は、カンタータ第106番の冒頭の美しいソナティーナ「神の時は最良の時なり」 の連弾譜です。「《ヤテコク》とJ.S.バッハのトランスクリプションから」というCDに 収録されている編曲のうち、トリオソナタは含まれていませんが、逆に他にもたくさんの編曲が収録されています。

    Bach=Kurtag/Sonatina from Cantata No.106 BWV 106

    他には、カール=アンドレアス・コリーのバッハ・トランスクリプション集のCDを買いました。 ブゾーニ編のシャコンヌ、トッカータとフーガ ニ短調や、リストの編曲の他、コリーの自編も収録されています。 追って音盤紹介に紹介しますが、なかなか良い演奏です。

  • Hyperionのバッハ編曲集 第5弾到着 (05/05/15)
    すっかり更新が滞ってしまっていましたが、Hyperionからリリースされた恒例のバッハ編曲集 第5弾 が到着しましたので音盤紹介に掲載しました。 今回のピアニストはミルンで、収録曲はシロティ、カバレフスキー、カトワール、ゲディケといったロシアの音楽家による編曲。 曲集の頂点はカトワール編曲のパッサカリアでしょう。 冒頭部の主題提示が印象的なフォルテッシモで始まり(通常はピアノか、せいぜいメゾフォルテでしょう)、時には分厚く、時には少ない音で、 ピアノの特性を活かし高音部をフル活用した見事な編曲です。なおこの楽譜は以前Amazon.comで購入できました。

    Bach=Catoire/Passacaglia c-moll BWV 582

  • ブランデンブルグ協奏曲 第6番、Hyperionのバッハ編曲集 第5弾、など (05/04/09)
    先輩から教えてもらったイタリアの通販サイトで、面白い編曲を手に入れました。 ラウラ・チェルッティ(Laura Cerutti)という人の編曲で、 ブランデンブルグ協奏曲 第6番の全楽章。 ちなみにこれはピアノ用の編曲ではなく、オルガンまたはチェンバロのための編曲と書いてあります。 まあチェンバロ1台で弾けるということはピアノソロでも弾けるということで、飛びついたわけです。 まずは愛らしい3楽章にチャレンジしてみようかな、と。 情報提供をありがとうございました。

    Bach=Cerutti/Brandenburg Concerto No.6 BWV 1051

    もう一つの話題。5月に、Hyperionから恒例のバッハ編曲集の第5弾がリリースされる模様です。 今回のピアニストはメトネル弾きでも有名なヘイミッシュ・ミルン。 シロティ、カバレフスキー、カトワール、ゲディケによる編曲が収録されています。 ゲディケ編曲というのは今まで見たことも聴いたこともなく、非常に興味をそそられます。 カトワール編曲はパッサカリアですが、 これも音源としては初めて耳にすることになります。さすがはHyperion、いい仕事をしますよね。 今から到着が楽しみです。

  • フェルツマンのバッハ、フィリップ編 (05/03/26)
    まずはオリジナル曲の話題。ウラディーミル・フェルツマン。この人のパルティータ全集を今年の2月頃に購入したのですが、 これがまた素晴らしい演奏で、「この人の弾くバッハを聴きたい」という気にさせられた、私にとって久しぶりのヒットでした。 そんな中、とあるネット通販の店主からフェルツマンの弾くゴルトベルク変奏曲のCDが素晴らしいとの情報をもらいました。 そこで中古市場を探してフェルツマンの弾くバッハの録音(Master Musicから出ていましたが、廃盤とのことでした)を集中的に 買い集めました。手に入れたのは平均律第1巻・第2巻、フーガの技法、ゴルトベルク変奏曲、協奏曲集Vol.2。 協奏曲集のVol.1 は存在を確認しましたがまだ入手できていません。 この人の弾くバッハは、何というか、聴いていてワクワクさせられるような独特の解釈でありながら、それは決して奇異なものでなく、 吸い込まれていくような魅力に溢れています。特にゴルトベルク変奏曲や平均律、こんな曲だったっけと随所で思わされます。 聴いてみるとすぐに気づくと思いますが、リピートでの即興の展開がバリエーションに富んでいるのです。 よくメヌエットなどでリピートでは1オクターブ高く弾いたりする演奏家もいますが、フェルツマンは カノンやフーガのある声部がオクターブ高かったり低かったり、巧妙に組み合わせピアノの特性を上手く音楽表現に用いています。 「バッハの音楽をピアノで」という当サイトの考え方からしても、このフェルツマンの演奏は一つの理想的な解だと私は思いました。

    さて、続いて編曲モノの話題に。イシドール・フィリップ編の楽譜が2つ届きました。 協奏曲 ニ短調と、トッカータとフーガ ニ短調。 協奏曲の方は、2月に紹介したストラーダル編曲 のものと同じで、原曲ヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-11)をバッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。以下は冒頭部分の譜例です。
    Vivaldi=Bach=Philipp/Concerto d moll BWV 596

    それにしてもトッカータとフーガ ニ短調はいくらでも出てきますね。 以上、曲目データベースに追加しました。

  • リュートのためのパルティータ、他 (05/03/07)
    Breitkopfから出版されているブゾーニ版バッハ全集の第23巻「Vol.XXIII: Suites etc.」を購入しました。 目的は、原曲はリュートのための曲であるパルティータ ハ短調。 通常はリュートやギターなどで弾きやすいようにイ短調に転調して演奏されることが多いですが、 キルヒーホフのリュートによる原曲に忠実な演奏をCDで聴いて、あらためてこの曲の良さを感じました。 ただ、楽譜はDoverのもの(旧バッハ全集の内容)を持っていたのでピアノで弾いてみたのですが、どうもピアノだと 音域が偏りすぎていたり、音の隙間が多すぎたりと感じてしまいます。中音域にもう1声旋律が欲しいと思っていたところに、 このブゾーニ版の楽譜を見つけたわけです。さっそくこの曲を、曲目データベース に譜例付きで曲目解説を追加しました。

    もう一つ、Junichi Steven Sato 編曲の前奏曲とフーガ ニ長調の楽譜を入手しました。この曲は、 Grey Massという様々なパロディーが収録されている曲集に入っています。

  • オピッツの音源紹介 (05/02/23)
    先日の更新で少し紹介したオピッツによるバッハ編曲集「Variations & Transcriptions」を 音盤紹介に掲載しました。今回はこれだけです。

  • 数々の楽譜・音源到着 (05/02/21)
    前回の更新で紹介したムストネン編のパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、ムストネン自身による 演奏音源を手に入れました。想像通りコミカルな編曲でした。MIDIで紹介したのは冒頭部分のみで、目まぐるしく転調されるものの調性は保って聞こえますが、 その後は複調・複リズムで突き進みます。

    さて、その他にいくつか音源と楽譜が到着したので紹介します。まずは ストラーダル編曲の 「協奏曲ニ短調」。この曲の原曲もヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-11)を バッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。バッハの息子のW.F.バッハが所有しており名前が書かれていたことから、かつては W.F.バッハが編曲した曲とされており、このピアノ編曲版のタイトルもヴィヴァルディ=W.F.バッハとなっていました。 時代としても、ストラーダルはW.F.バッハの編曲だったと思っていたのは間違いないでしょう。現在ではこの協奏曲はバッハ編曲とされているため、 そのピアノ編曲版はこのページで紹介するに値するものでしょう。
    もう一点、 ヘルシャー編曲の 「パッサカリア」。 この楽譜は、宣伝のためか、余白部分(表紙の裏まで)に1ページずつ小曲が印字されていました。それもバッハとは全く関係ない無名の小品で、もったいぶって 「続く・・・」と。この1ページを見て買おうとする人がいるのでしょうか。

    音源の方は、ドイツの正統派ピアニスト、ゲルハルト・オピッツによるバッハ編曲集。レーガーの 「バッハの主題による変奏曲とフーガ 作品81」にはじまる 「バッハの音楽をモチーフに作曲されたピアノ曲」と、ブゾーニやケンプ、リストによる編曲などが収録されています。 追って音盤紹介でも紹介したいと思います。

  • ムストネンのパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、他 (05/02/06)
    面白い編曲を手に入れました。フィンランドのピアニスト、オリ・ムストネン編曲の パラフレーズ「ロンド風ガヴォット」。 曲は高音域でかわいらしく始まりますが、途中から目まぐるしく調が変わっていきます。 まだ最後まで弾いてみていないのですが、はじめの1ページだけでもその面白さを味わうことができました。 冒頭部分をMIDI にしてみましたので、 下の譜例を見ながらぜひ聴いてみて下さい。
    なおこの楽譜はSchottから出版されています(ED 9508、ISMN M-001-13286-2)。
    Bach=Mustonen/Paraphrase of the third mov. from Partita No.3 for Violin Solo  サンプル(MIDI)

    ムストネンといえばショスタコの「プレリュードとフーガ」とバッハの「平均律」を交互に配置したCDがありますが、 これもまた独自の解釈で聴いていて飽きません。私はバッハの平均律だけを抜き出して順序も正しく直し、MP3プレーヤーに入れて聴いてます。

    さて気を取り直して、今度は普通の編曲で、前々から持っていたのですがまだ曲目データベース に登録していなかったハインツェの編曲集。 これは「21のバッハ小品集」という曲集で、色々な組曲の中から主に舞曲を取り上げています。 フランス組曲やイギリス組曲の中から抜粋したものの他に、無伴奏チェロ組曲・無伴奏ヴァイオリンパルティータなどからの編曲が 数曲含まれています。いくつかの曲は弾きやすいように転調されています。

  • サンサーンス編、フィリップ編の楽譜到着 (05/01/27)
    昨年末に注文していたいくつかの楽譜が到着しました。今年は、調子に乗ってこの更新履歴のページでも楽譜の一部を紹介していきたいと思います。 まずは Durand から出版されているサンサーンス編曲のバッハ のうち、中でもとりわけ美しいと思うのは、無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番からの「ラルゴ」です (下の譜例参照)。ヴァイオリンの奏でるメロディーにピアノならではの豊かな装飾が施されています。
    Bach=Saint-Saens/Largo from Sonata No.3 for Violin Solo
    もう1点、イシドール・フィリップ編の協奏曲イ短調。この曲は元々ヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-8)を バッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。
    Vivaldi=Bach=Philipp/Concerto a moll BWV 593

  • コラール曲名勘違いの訂正(ヘンダーソン編) (05/01/22)
    先日更新した、ヘンダーソン編曲の曲で、 旋律がこよなく美しいコラールとして紹介した曲名が間違っていました。
      「誤: おお愛する魂よ、汝を飾れ(BWV 654)」
      「正: おお人よ、汝の大いなる罪に泣け(BWV 622)」
    ずっと勘違いでこう覚えてました。お恥ずかしいことですが、久しぶりにオルガンの原曲を聴きながら楽譜を見ていて気づいたわけです。 どちらの曲も変ホ長調で、旋律が美しいのは変わりありません。
    Bach=Henderson/Chorale 'O Mensch, bewein' dein' Sunde gross!'

  • ソラブジ編曲のバッハ、ほか追加 (05/01/20)
    先週、Sorabji Archiveからソラブジ編曲の楽譜が届きました。 現代ピアノのための半音階的幻想曲フランス組曲第4番より「前奏曲」。 前者はその恐ろしさをCDで聴くことができます。原曲と異なるフーガがセットになってますが、独特の三段譜と何せ真っ黒の楽譜には驚かされます。 フランス組曲の4番は、よく知られている稿では他のフランス組曲と同様にアルマンドで始まりますが、異稿のBWV815aでは前奏曲で始まりエールで終わります。 リヒテルなんかはこの前奏曲の方をアルマンドの前に弾いてますよね。ソラブジはこの前奏曲を編曲してます。こちらも音の洪水で処理していますが、 5ページほどの小曲ですので、ひょっとしたらソラブジの作品中で最も易しい曲かもしれません。(下の譜例が冒頭部分です)
    Bach=Sorabji/Prelude from French Suite No.4
    その他に、以前から持っていたヘンダーソンという人の編曲による 「8つのオルガンコラール前奏曲集」を曲目データベースに登録しました。比較的弾きやすい編曲で、 旋律がこよなく美しいコラール「おお愛する魂よ、汝を飾れ」などがお勧めです。

  • 音盤紹介のコメント追加、他 (05/01/09)
    新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 ご挨拶が遅くなってしまい申し訳ありません。
    さて、音盤紹介に私の感想を追記しました。 私がバッハの編曲物を探すようになったきっかけのTranscendental Bachと、 敬愛する音楽家の一人であるサムイル・フェインベルグの平均律全曲録音についてです。

    その他、コルトー編曲の「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」と 「アリオーソ」を年末に購入したので書き留めておきます。


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