ブゾーニ編のピアノ協奏曲 二短調 BWV 1052

以前CDの紹介「ブゾーニ版バッハ集のCD 第1弾」で取り上げた、ブゾーニ編曲のピアノ協奏曲 ニ短調 BWV1052について、改めて楽譜を交えて紹介したいと思います。
これは当時のチェンバロ協奏曲を、ピアノでもっと良く響くように、ブゾーニが数々の工夫を加えたものです。たとえば通奏低音パートとしてのピアノパートは排除し、ピアノの音域をフル活用するようにピアノならではのパッセージに書き換えられています。
以下、オリジナルのチェンバロパートとブゾーニ版の同じ部分を見比べてみます。
Bach/ Concerto d-moll BWV 1052
(Bach/ Concerto d-moll BWV 1052)
オリジナルでは同じ音域でのパッセージを、音楽の流れそのものは変えずに、ブゾーニ版では高音まで演奏音域を拡大しているのがわかります。
Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052
(Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052)
この手法はあらゆる場所で活用されています。また次の例は、音域の拡大に加え、和音に音を追加することで響きを豊かにしています。
Bach/ Concerto d-moll BWV 1052
(Bach/ Concerto d-moll BWV 1052)
Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052
(Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052)
そしてカデンツァはこうなってます。小さくて見えないかと思いますが、ピアにスティックな様はわかると思います。
Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052
(Bach=Busoni/ Piano Concerto d-moll BWV 1052)
さてその録音ですが、まずは近年のクリアな音質での録音はとしては、以前紹介した「ブゾーニ版バッハ集のCD 第1弾」のほかに、「アダム・スコウマルの演奏によるCD」が挙げられます。このCDには、この協奏曲の他に、ラフマニノフ編曲の無伴奏ヴァイオリンパルティータ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番が収録されており面白いカップリングです。


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そして、ヒストリカルな録音としては、リパッティのCD「Dinu Lipatti plays Bach」や「Lipatti Liszt, Bartok, J.s.bach: Piano Concerto」が挙げられます。特に前者はリパッティが残したバッハの名録音が多く含まれており、ぜひ手にしておきたい一枚です。


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以上、主にHMVへのリンクを張りましたが、Amazonでは以下のリンクをご参照ください。
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「ブゾーニ編のピアノ協奏曲 二短調 BWV 1052」への3件のフィードバック

  1. これは、ちょこっと興味アリです。^^
    ブゾーニさんってコンチェルトまで編曲していたんですねぇ。
    リパッティのは私の最も好きなピアニストですので、既に持っています~。
    BWV 1052はチェンバロ、ピアノ、もしくはヴァイオリン版も結構ですが、
    個人的にはカンタータに転用されたオルガン版が最も好き、かも。(笑)
    またホットな情報をお待ちしております。

  2. この曲も課題にしておりますので参考になります。
    ブゾーニ版ではシャコンヌをチェロとギターで演奏すると面白いのでは、、などと考えています(^^)

  3. Miniaさん>
    ブゾーニさんは、他にも、半音階的幻想曲とフーガをピアノとチェロのデュオに編曲とかもしてるんですよ。
    Bach after Bach
    http://ml.naxos.jp/album/CC72066
    アリヤさん>
    ご無沙汰してますが、編曲は進んでおりますか?ぜひまた録音して聴かせて下さい。

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