レーガー編のオルガン前奏曲とフーガ

バッハ好きの先輩から、マックス・レーガー編曲の オルガン前奏曲とフーガ 「ニ長調」と、「ホ短調」 の譜面を複写させていただきました。ありがとうございました!
このホ短調の前奏曲とフーガは、私が特に気に入っている曲なのですが、 これまたレーガー編の恐ろしいまでの重厚な編曲、以下譜例は冒頭部分ですが、フーガ中間部の火花のほとばしるパッセージも 同じようにすべてオクターブという、オルガン原曲での一般的な速度での演奏はほとんど不可能でしょう。 (9月に演奏された方がいらっしゃるのですが、平日だったため私は残念ながら聴きに行けませんでした。) オルガン譜と比較してみると、オクターブ化による音量・重量感の増加の他にも、原曲に無い音をずいぶんたくさん挿入しているようです。 この曲の他編曲としては、おとなしいリスト編、レーガー編に比べれば現実的なフェインベルグ編があります。
Bach=Reger/ Prelude and Fugue BWV 548

Junnichi Steven Sato編曲のパッサカリア

すっかり更新が滞ってしまっていました。 今回は先月入手したCDの紹介です。Junnichi Steven Sato編曲のパッサカリア、 自編自演の入ったCD「PIANO TRANSCRIPTIONS」です。 この編曲はブゾーニによるオルガン曲の編曲のように、時には音型を変えながら、これでもかという分厚い音を鳴り響かせます。 ベダルで残しつつ低音部から高音部までくまなく弾く部分は、3段譜は当たり前、フーガ前の盛り上がりとコーダ部分は4段譜になります。
Bach=Sato/ Passacaglia c-moll BWV 582
—-(ご参考)Amazonでの入手方法—-

クルタークのバッハ編曲集到着

1年半前に掲示板で教えていただいた、ハンガリーの現代作曲家・ クルタークによるバッハ編曲(連弾)の楽譜を ようやく見つけました。EMB(Edito Musica Budapest)から出版されている、’TRANSCRIPTIONS from Machant to J.S.Bach’ という曲集に入っています。 以下の譜例は、カンタータ第106番の冒頭の美しいソナティーナ「神の時は最良の時なり」 の連弾譜です。「《ヤテコク》とJ.S.バッハのトランスクリプションから」というCDに 収録されている編曲のうち、トリオソナタは含まれていませんが、逆に他にもたくさんの編曲が収録されています。
Bach=Kurtag/ Sonatina from Cantata No.106 BWV 106
楽譜はこちらで購入できます。(Sheet Music Plus

Transcriptions from Machaut to J.S. BachLook Inside Transcriptions from Machaut to J.S. Bach By Gyorgy Kurtag (1926-). EMB. 71 pages. Editio Musica Budapest #Z13823. Published by Editio Musica Budapest (HL.50511424)
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Hyperionのバッハ編曲集 第5弾到着

すっかり更新が滞ってしまっていましたが、Hyperionからリリースされた恒例のバッハ編曲集 第5弾 が到着しましたので音盤紹介に掲載しました。 今回のピアニストはミルンで、収録曲はシロティ、カバレフスキー、カトワール、ゲディケといったロシアの音楽家による編曲。 曲集の頂点はカトワール編曲のパッサカリアでしょう。 冒頭部の主題提示が印象的なフォルテッシモで始まり(通常はピアノか、せいぜいメゾフォルテでしょう)、時には分厚く、時には少ない音で、 ピアノの特性を活かし高音部をフル活用した見事な編曲です。なおこの楽譜は以前Amazon.comで購入できました。
Bach=Catoire/ Passacaglia c-moll BWV 582

ブランデンブルグ協奏曲 第6番の編曲

先輩から教えてもらったイタリアの通販サイトで、面白い編曲を手に入れました。 ラウラ・チェルッティ(Laura Cerutti)という人の編曲で、 ブランデンブルグ協奏曲 第6番の全楽章。 ちなみにこれはピアノ用の編曲ではなく、オルガンまたはチェンバロのための編曲と書いてあります。 まあチェンバロ1台で弾けるということはピアノソロでも弾けるということで、飛びついたわけです。 まずは愛らしい3楽章にチャレンジしてみようかな、と。 情報提供をありがとうございました。
Bach=Cerutti/ Brandenburg Concerto No.6
(Bach=Cerutti/ Brandenburg Concerto No.6)

リュートのためのパルティータ、他

Breitkopfから出版されているブゾーニ版バッハ全集の第23巻「Vol.XXIII: Suites etc.」を購入しました。 目的は、原曲はリュートのための曲であるパルティータ ハ短調。 通常はリュートやギターなどで弾きやすいようにイ短調に移調して演奏されることが多いですが、 キルヒーホフのリュートによる原曲に忠実な演奏をCDで聴いて、あらためてこの曲の良さを感じました。 ただ、楽譜はDoverのもの(旧バッハ全集の内容)を持っていたのでピアノで弾いてみたのですが、どうもピアノだと 音域が偏りすぎていたり、音の隙間が多すぎたりと感じてしまいます。中音域にもう1声旋律が欲しいと思っていたところに、 このブゾーニ版の楽譜を見つけたわけです。さっそくこの曲を、曲目データベース に譜例付きで曲目解説を追加しました。
もう一つ、Junichi Steven Sato 編曲の前奏曲とフーガ ニ長調の楽譜を入手しました。この曲は、 Grey Massという様々なパロディーが収録されている曲集に入っています。

フィリップ編のバッハ

イシドール・フィリップ編の楽譜が2つ届きました。 協奏曲 ニ短調と、トッカータとフーガ ニ短調。 協奏曲の方は、2月に紹介したストラーダル編曲 のものと同じで、原曲ヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-11)をバッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。以下は冒頭部分の譜例です。
Bach=Philipp/ Concerto in d-moll BWV 596
それにしてもトッカータとフーガ ニ短調はいくらでも出てきますね。 以上、曲目データベースに追加しました。

数々の楽譜・音源到着

前回の更新で紹介したムストネン編のパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、ムストネン自身による 演奏音源を手に入れました。想像通りコミカルな編曲でした。MIDIで紹介したのは冒頭部分のみで、目まぐるしく転調されるものの調性は保って聞こえますが、 その後は複調・複リズムで突き進みます。
さて、その他にいくつか音源と楽譜が到着したので紹介します。まずは ストラーダル編曲の 「協奏曲ニ短調」。この曲の原曲もヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-11)を バッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。バッハの息子のW.F.バッハが所有しており名前が書かれていたことから、かつては W.F.バッハが編曲した曲とされており、このピアノ編曲版のタイトルもヴィヴァルディ=W.F.バッハとなっていました。 時代としても、ストラーダルはW.F.バッハの編曲だったと思っていたのは間違いないでしょう。現在ではこの協奏曲はバッハ編曲とされているため、 そのピアノ編曲版はこのページで紹介するに値するものでしょう。
もう一点、 ヘルシャー編曲の 「パッサカリア」。 この楽譜は、宣伝のためか、余白部分(表紙の裏まで)に1ページずつ小曲が印字されていました。それもバッハとは全く関係ない無名の小品で、もったいぶって 「続く・・・」と。この1ページを見て買おうとする人がいるのでしょうか。
音源の方は、ドイツの正統派ピアニスト、ゲルハルト・オピッツによるバッハ編曲集「Variations & Transcriptions」。レーガーの 「バッハの主題による変奏曲とフーガ 作品81」にはじまる 「バッハの音楽をモチーフに作曲されたピアノ曲」と、ブゾーニやケンプ、リストによる編曲などが収録されています。

ムストネンのパラフレーズ「ロンド風ガヴォット」、他

面白い編曲を手に入れました。フィンランドのピアニスト、オリ・ムストネン編曲の パラフレーズ「ロンド風ガヴォット」。 曲は高音域でかわいらしく始まりますが、途中から目まぐるしく調が変わっていきます。 まだ最後まで弾いてみていないのですが、はじめの1ページだけでもその面白さを味わうことができました。 冒頭部分をMIDI にしてみましたので、 下の譜例を見ながらぜひ聴いてみて下さい。
なおこの楽譜はSchottから出版されています(ED 9508、ISMN M-001-13286-2)。
Bach=Mustonen/ Gavotte

Gavotte and Rondeau Gavotte and Rondeau (The Virtuoso Piano Transcription Series, Volume 8). By Johann Sebastian Bach (1685-1750). Arranged by Olli Mustonen. Piano. This edition: ED9508. Schott. Book only. 8 pages. Published by Schott Music (HL.49013042)
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ムストネンといえばショスタコの「プレリュードとフーガ」とバッハの「平均律」を交互に配置したCDがありますが、 これもまた独自の解釈で聴いていて飽きません。私はバッハの平均律だけを抜き出して順序も正しく直し、MP3プレーヤーに入れて聴いてます。
さて気を取り直して、今度は普通の編曲で、前々から持っていたのですがまだ曲目データベース に登録していなかったハインツェの編曲集。 これは「21のバッハ小品集」という曲集で、色々な組曲の中から主に舞曲を取り上げています。 フランス組曲やイギリス組曲の中から抜粋したものの他に、無伴奏チェロ組曲・無伴奏ヴァイオリンパルティータなどからの編曲が 数曲含まれています。いくつかの曲は弾きやすいように移調されています。

サンサーンス編、フィリップ編の楽譜到着

昨年末に注文していたいくつかの楽譜が到着しました。まずは Durand から出版されているサンサーンス編曲のバッハ のうち、中でもとりわけ美しいと思うのは、無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番からの「ラルゴ」です (下の譜例参照)。ヴァイオリンの奏でるメロディーにピアノならではの豊かな装飾が施されています。
Bach=Saint-Saens/ Fugue from Violin Sonata BWV 1005
(Bach=Saint-Saens/ Fugue from Violin Sonata BWV 1005)
もう1点、イシドール・フィリップ編の協奏曲イ短調。この曲は元々ヴィヴァルディの協奏曲(調和の幻想 Op.3-8)を バッハがオルガン協奏曲として編曲したものです。
Bach=Philipp/ Concerto d-moll BWV 593
(Bach=Philipp/ Concerto d-moll BWV 593)